ものまねマスクメイクで活躍中のざわちんさんは、子どもの頃はイジメにも遭遇しますが、どのように心を開いていったのでしょうか。(全3回中の1回)

同級生にからかわれて

── ざわちんさんの子ども時代はどんな感じだったのでしょうか?

ざわちんさん:小学校低学年の頃は、どちらかというと目立たない大人しい子でした。私は、日本とフィリピンのハーフで、3歳から6歳までフィリピンで生活していたこともあり、肌が日に焼けていたんです。また、体が細すぎてまわりの子と外見が違うことから、いじめを受けていたんです。同級生からからかわれるたびに、気持ちが暗くなるんです。それでなかなか友達の輪に溶け込めなくて、当時はすごくつらかったです。

── いじめについて相談できる人はいましたか?

ざわちんさん:両親には伝えました。私が学校を急に休みだしたことから、心配した母が「なにかあったの?」と声をかけてくれ、いじめについて正直に話したんです。母は「私たちが学校に行こうか」と言ってくれたものの、大人が出ていくと相手の子がヒートアップすることもあるかもと思って、大丈夫と伝えました。

そのうえで、私がどうしても学校に行きたくないときは無理しなくていいよと言ってくれました。両親が話を聞いてくれるだけでも、1人じゃないんだと、すごく支えになりましたね。

── その後、学校生活はいかがでしたか?

ざわちんさん:少しずつ馴染めるようになってきました。きっかけとしては、ある日、お母さんがメイクして、どんどんきれいになっていく姿を見て、もしかしたら自分のコンプレックスはメイクで解決できるかもと思ったんです。ファンデーションだったら肌を白く変えられるし、かわいく見せることができるので。私はメイクをやるようになってから、結構気持ちも変わって、自信がついてきました。

気持ちが明るくなったことで、学校で人気者の女の子のしぐさや行動を真似したら、もしかしたら自分、もっとみんなとみんなの輪に溶け込めるんじゃないかなと思ったんです。実際に行動に移してから、友達から声をかけられるようになり、どんどん友達が増えていきました。

マスクなしのざわちんさんも素敵

── その後、18歳くらいの頃でしょうか。埼玉のショッピングモールで、元AKBの板野友美さんと間違えられたそうですね。

ざわちんさん:家族で買い物に行った際に、子連れのお母様に「板野友美さんですか?」と言われたんです。違うと伝えましたが、写真を撮ってもいいか聞かれたんです。写真を撮っている最中、周りから、板野友美とか、ともちんという声が聞こえるんですよ。

それで板野友美さんとはどんな人なんだろうと思って検索して写真を見たら、母親まですごく似てる!と言い出すくらいで。自分でも、そんなに似ているんだと本当にびっくりしました。

── ざわちんさんのメイクが、板野友美さん風だったのでしょうか?

ざわちんさん:私自身は、板野友美さんのものまねメイクをしていたわけではないんです。今までコンプレックスだった涙袋をチャームポイントに変えるメイクを雑誌で見かけ、それを見よう見まねでやったんです。その結果、涙袋がチャームポイントの板野友美さん風のメイクになりました。しかも、風邪でマスクをしていたから余計に似てみえたのかもしれません。

── ざわちんさんが板野友美さんと間違えられた日、ご本人はちょうど北海道で握手会をされる予定だったそうですね。

ざわちんさん:板野友美さんは、たまたま体調が悪くて握手会をお休みされていたんです。そんなときに埼玉のショッピングモールで私が買い物をしていたから「ともちん、握手会さぼってお買い物」みたいに週刊誌に書かれてしまい、申し訳なかったです。

── 板野さんと直接お会いされたことはありますか?

ざわちんさん:長年お会いする機会がなかったのですが、昨年初めて板野友美さんご本人にお会いすることができました。楽屋でご挨拶させていただいた際に、勘違いされて騒動になったことをお詫びしたら、全然大丈夫だよと言ってくれました。