千葉県山武市が所有する土地に大量の土砂が搬入され、周辺の家に砂ぼこりが舞うなどの被害が出ている問題で、市の第三者委員会が3月18日、原因などを調査した報告書を市長に提出しました。

 この問題は2022年、山武市小松の市有地に約5万5000立方メートルに上る大量の土砂が運び込まれたことで、周辺の家に砂ぼこりが舞うなどの被害を招いているものです。

 原因究明のために設置された市の第三者委員会は18日、土砂搬入の経緯などをまとめた報告書を山武市の松下浩明市長に提出しました。

 委員会は報告書で、搬入された土砂は産業廃棄物の可能性があることから調査が必要としたほか、保安林に指定されている地区の盛土は違法で速やかに撤去すべきだなどと提言しました。

 このほか、市は盛土の高さを口頭のみで業者と契約していたことや、土砂の汚染の有無を事前に確認しなかったことなどを厳しく指摘。

 また、砂ぼこりなどで住民に健康上の被害が出ていることから損害賠償責任が認められる場合もあるとしました。

 報告書を受け、松下市長は「事態を重く受け止めている。市として今後こういうことがあってはいけないので対応をしっかり進めていく」と話しました。