NHK大河ドラマ「光る君へ」で”劇中一のヒール”藤原道兼が5日放送の第18回で退場。関白に任命され、これからというときに倒れ、やがて亡くなるという意外にも静かな最期だった。汚れ役を全うした俳優玉置玲央(39)がこれまでの思いを語った。

 「光る君へ」は吉高由里子(35)がヒロイン紫式部/まひろを務め、そのソウルメイトとなる藤原道長を柄本佑(37)が演じている。道兼は道長の次兄にあたる。

 道兼が第1話の終わりに、まひろ(幼少時代は落井実結子)の母・ちやは(国仲涼子)を刀で切り付け惨殺する場面は、平安時代の優雅な雰囲気を一気に吹き飛ばし、強いインパクトを残した。

 演じていた本人は「台本をもらった時、『オモロイじゃないか』って」と意外な反応。「なのであまりプレッシャーを感じず、これをどうやって、その先の物語や道兼の人物像につなげていけるだろうと意識した」。

 ただ不安もあったと明かす。「1話が衝撃的に終わるので、こういう話が続くようだったら今回の大河は見なくていいやと思われるのもイヤだなと」と視聴者の”戦線離脱”を心配したという。

 そんな道兼だが、父の死を経て、兄弟との関係性を含め人間性にも徐々に変化が見られた。「道長に救ってもらったのがきっかけ。道長のおかげで少しだけ真人間になれた」。

 さらに「僕、結構、殺人犯かクズの役が多いんですよ。だから、言い方あれですけど、お手の物なんです」と照れくさそうに笑い「自分はいろんなクズをまだやれるんだなって思えた。ある種、今後のやりがいでもあります」と言いつつも「いい人の役、本当はやりたいんです!」と最後にちょっぴり本音ものぞかせた。