人気デュオ「KinKi Kids」の堂本剛(45)が10月公開の「まる」(荻上直子監督)で27年ぶりに映画の主演を務めることが決まった。剛の映画主演は1997年公開の「金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」以来。2年間に及ぶ熱烈オファーに応え、「自分が必要とされている役なら」と出演を決断した。

 近年は音楽活動が中心となっていた剛が、銀幕に主人公として帰ってくる。「かもめ食堂」や「彼らが本気で編むときは、」などを手がけた荻上監督と企画プロデューサーの粘り強いオファーに応えた。

 演じるのは、現代美術家のアシスタントをしている「沢田」。独立する気力も失い、言われたことを淡々とこなす日々に慣れていたが、通勤途中の事故で腕をケガしたことで職を失う。部屋に帰ると、床にはアリが1匹。そのアリに導かれるように描いた「○(まる)」を発端に、日常が「○」に浸食され始める。

 年始にスタートした本編の撮影は既に終了した。剛は自身が演じた主人公の人物像について「沢田なりに人々の孤独に漂ってみている」と表現。「きっと正しくないし、もはや正しくないことはわかっているが、いらぬ優しさがそうさせてしまうのかもしれない。そんな沢田を演じるうえで、いろいろと整えることをやめて崩すイメージで演じさせていただきました」と振り返った。

 荻上監督との初タッグで描く奇想天外なストーリー。剛は「まるという言葉や文字を皆さまはどう捉えてこの作品を楽しんでいただけるか興味深いところです」と鑑賞者の反応に期待した。