スーパーGT 開幕戦 予選 13日 岡山国際サーキット

ペン=田村尚之 カメラ=多賀まりお

 GT500クラスは、auトムスの坪井翔(28)/山下健太(28)組(トヨタGRスープラ)がポールポジションを奪取。両ドライバーの合算タイムで争う新予選方式の“初戦”で、Q1の5番手からQ2でひっくり返した。Q1最速だったニスモの千代勝正(37)/ロニー・クインタレッリ(44)組(日産Zニスモ)は6番手に終わった。GT300クラスは、LEONの蒲生尚弥(34)/篠原拓朗(29)組(メルセデスAMG)が予選最速をマークした。

 オフシーズンのテストから絶好調だったauトムス。その強さはホンモノだ。Q1では最速から0・324秒も後れを取ったが、Q2担当の坪井が渾身(こんしん)の一発。合算タイムでは、予選2番手にコンマ2秒以上の差をつけて最速の座についた。

 殊勲の坪井だが、アタック中の1コーナーでは姿勢を乱すピンチに見舞われた。「正直、終わったと思った。その後の1周は、置きに(慎重に)いったり、めちゃくちゃで…。でも、終わってみたらポールで驚いた」。スピン寸前の状態でもアクセルを踏み続けられ、自身とクルマの好調さが際立った。

 一方、新たにコンビを組んだ山下は、Q1で思うようなタイムを出せず浮かぬ顔。「5番手だから、微妙な感じ。そこから坪井選手のすごいアタックで大どんでん返し。今後は足を引っ張らないよう頑張りたい」と自虐気味だ。公式練習で走った時の路面コンディションが悪く、クルマの状態をつかみ切れていなかったのが響いたようだが、十分な働きぶりだ。

 これで今年から3ポイントに増えたポールポイントを獲得。狭くてテクニカルなコースのため、追い抜きが容易でない当地で、最高のスタート順も手にし、目標の連覇へ順調なステップを踏んだ。

 坪井は「予選順位は大切だが、36号車(auトムス)は決勝で強いと思っているし、自信もある。混乱に巻き込まれないように気をつけて、このままいきたい」とポールtoウイン宣言。予選で不完全燃焼だった山下も「決勝ではしっかり仕事をして優勝したい」と力を込めた。

 不確定要素の強い新方式の予選でも、auトムスの勢いは鈍らず。好調の波に乗ってゴールまで突っ走る。