◇17日 ロッテ2―0西武(ZOZOマリン)

 ロッテの先発・西野勇士投手(33)が走者を出しながらも粘りの投球で7イニング2/3を無失点に抑えた。1週前の9日の西武戦(県営大宮)ではフォークが有効だったが、再戦となったこの日は一転してスライダーを駆使。狙い球を外して翻弄(ほんろう)し、今季の西武戦での連続無失点を14イニング2/3に伸ばした。

 前日の16日は1学年上の唐川侑己投手(34)が5回まで完全投球と力投した。7回に救援した西村が逆転3ランを浴びて6年ぶりの先発勝利こそ逃したが、西野は「恐ろしかったです。あんなに完璧に抑えられたので。負けていられない」と発奮。1回と3回に背負った1死一、三塁のピンチで気迫を全面に出して、得点を許さなかった。

 8回には先頭の佐藤龍に右太もも直撃の投手強襲内野安打を浴び、いったんはベンチに下がったが、志願の続投。2死から長谷川に四球を与え、沢村にマウンドを譲ったが、8回途中まで投げ続けて救援陣を休ませた。

 「個人的には明日休みなんでみんな投げてほしいなと思ったし、助けに来てほしかったんですけど」と苦笑しながらも、「やっぱり序盤のこういう積み重ねが後々中継ぎの疲労だったりにつながってくると思うので。長いイニングを投げるのは先発の責任。長いイニングを投げられて休ませることができたのは本当に良かった」。救援投手として通算88セーブを挙げた経験があるからこそ、一人でも多くの打者を料理してバトンを渡したかった。

 4年前に右肘の内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称「トミー・ジョン」手術)を受け、昨年から先発に再転向。術後最多の116球を投げた西野は「自信がついたし、次もそれぐらいは投げられるように続けたい」とローテ投手の自覚を言葉の中へにじませた。