◇19日 サッカー パリ五輪アジア最終予選兼U―23アジア杯1次リーグB組 日本2―0アラブ首長国連邦(ドーハ)

 あの日、地元で悔しさに沈んだ男に、満面の笑みが咲いた。中盤で先発したMF川崎颯太(京都)は後半16分、DF大畑歩夢(浦和)の左サイドからのクロスにニアで飛びこみ追加点。日本の決勝トーナメント進出を決定付けるプレーを見せた。

 3月22日の親善試合マリ戦は、京都のホームスタジアム・サンガSの開催。ボランチで先発出場し、地元サポーターの声援に応えるはずだった。しかし、相手の鋭い出足の守備に苦戦する中、1―0の前半34分、自身のパスミスが相手に渡り、同点弾に。チームはさらに後半に2失点を喫し、敗戦した。

 「大岩剛さんのサッカーの中で、川崎颯太という存在が必要なんだと示せるかだと思う」と意気込んでいた一戦。試合後は「ボランチとしての、ゲームをつくるところの課題が見えてしまった」と気落ちした。

 勝てば1次リーグ突破が決まる大事な一戦となったアラブ首長国連邦戦。川崎に、大岩監督から再びのチャンスが与えられた。7人を入れ替える中での先発出場だ。

 得点シーンを「自分はボランチで相手をつぶすところが特長だけど、ああやって中に入っていく、点も取れるところを見せたいなと思っていた。クラブでも中に入るシーンを増やしていたので、それを代表でも出せて、良い状況が続いた」と振り返り、胸を張った。川崎颯太の存在感を、高める得点となったに違いない。