◇20日 西武2−8楽天(ベルーナドーム)

 楽天の連敗を3で止めたのは入団8年目の石原彪捕手の活躍だった。同点で迎えた8回1死一、二塁で右中間へ決勝打となる2点適時二塁打を放つと、9回にも適時二塁打。スタメンマスクでの好リードに加えて、プロ初の”猛打賞”となる3安打3打点の固め打ちで勝利に貢献した。

 「うれしいです」。顔には自然と笑みが浮かぶ。思い切っていく積極性が8回の一打につながり、「とにかく打ったらデカいなと思っていた。よかったという気持ちでいっぱい」と正直な思いが口を突いた。

 入団からけがが続き、昨季は1軍出場がなかった。心を支えたのはオフの自主トレで師事するソフトバンク・甲斐の言葉だった。「捕手は我慢。我慢が大事」。逆境に耐えて出場機会を得て「やらなあかん」と思っている今季は秘めていた実力を開花させつつある。

 そんな石原に今江監督も「今のところ、一番成長してくれている」と目を細める。正捕手争いは激しい競争の真っ最中。遅咲きの苦労人は今後の目標を聞かれ、「勝てる捕手でいたい」と言い切った。