◇21日 J1第9節 名古屋2―1C大阪(豊田スタジアム)

 名古屋グランパスは前節まで首位のC大阪を2―1で破り、5位に浮上した。DF三国ケネディエブス(23)の移籍後初ゴールで先制した。直後に同点とされたが、FW永井謙佑(35)が決勝点を挙げた。

 さく裂したFW永井の跳び蹴りが、首位のC大阪をKOした。1―1の後半37分、DF河面の左FKを、右サイドでFWパトリックが頭で折り返し。MF森島の頭上を越えてワンバウンドしたところを、永井が右足でジャンビングボレー。勝ち越し点がゴール左に突き刺さった。

 「司(森島)がうまく(相手DFを)釣ってくれたので、空間ができた。(シュートは)もう本能。練習でもなかなかないので。ふかさないようにだけして、GKの逆なら反応できないかなと思った」

 ボールが来た流れを「典型的」と振り返った。前線で起点にもなれるパトリックの特性を理解し、生かした。「ああやって斜めに折り返してくれるので。今回は司だったが、誰かがつぶれて、誰かにチャンスが来る関係も徐々に構築されている」と、コンビネーションを深めつつある。

 展開からすれば、勝ち点を落としてもおかしくなかった。相手の猛攻を耐え切り、後半20分にやっと得た先制点が、オウンゴールによって2分で同点に。「チームとしていろんなチャレンジをして、奪われることはある。いつも後ろで抑えてくれている」とDF陣の頑張りに報いた。

 開幕3連敗で最下位に沈んだチームが、その後5勝1分けで5位まで浮上。「浮かれたことは言えない。でも、今日ぐらいは浮かれてもいいんじゃない」。35歳のベテランから白い歯がこぼれる。

 上位を狙える位置にたどり着き、28日の浦和戦(埼玉)からは、過密日程のルヴァン杯を含めた8連戦。「総力戦で、みんなで頑張りたい」と勝ってかぶとの緒を締める。