◇21日 高校野球春季愛知県大会3回戦 東邦5―3愛工大名電(春日井)

 愛知県大会は3回戦8試合が行われ、今夏の愛知大会でシードとなる8強が決まった。東邦は、今春のセンバツ大会に出場した愛工大名電に5―3で勝利。正捕手でリリーフとして登板することもあった”投捕二刀流”の高柳大治主将(3年)が、公式戦初先発で試合をつくった。豊川、至学館、享栄、西尾東、中部大春日丘、日本福祉大付、中京大中京も準々決勝に駒を進めた。

 東邦で背番号2をつける身長188センチ、体重93キロの右腕・高柳が、公式戦初先発で7イニング⅓を8安打3失点。先発の経験は昨秋の練習試合1試合のみだったが、走者を背負っても要所を締め、愛工大名電打線から9つの三振を奪った。高柳は「まずは勝てたことが素直にうれしい。あまり球は速くなかったが、しっかり腕を振れていた」と振り返った。

 中学時代までは投手で、高校1年秋から強肩を買われて捕手に転向した。その後も正捕手としてマスクをかぶりながら、抑え投手として試合を締める役割も担ってきた。

 初めての先発登板には「完投するつもりで臨んだが、8回に力がなくなってしまった」と反省。100球を超えた8回に1点を失い、なお1死一、二塁のピンチを招いて降板。ただ、山田祐輔監督(33)は「愛工大名電にどのくらい通用するか、挑戦する気持ちで送り出した。ピンチで気持ちの強さを見せてくれた」と収穫を語った。

 降板後はマスクをかぶって、そのまま捕手を務めた。背番号1の宇佐美敦斗投手(3年)をリードした。”二刀流”について高柳は「大変でも、なかなか経験できないこと。充実していて、どちらも楽しい」と投捕でチームを支えていく。