将棋の藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖との八冠=に豊島将之九段(33)が挑む第82期名人戦7番勝負第2局は23日、千葉県成田市の成田山新勝寺で1日目の対局が行われ、午後に入るとお互いが長考を繰り返す熱戦となった。

 戦型は豊島九段が先手で、互いに飛車先の歩を突き出す相掛かり。それぞれ歩を交換後に飛車が自陣の4段目に浮く形となった。

 藤井名人が30手目に昼食休憩を挟んで61分考え、角を天王山と呼ばれる盤面中央に配したのに対して、豊島九段も57分を使って左側の初期位置にあった銀を右斜め上に上がった。すると藤井名人は20分の「小長考」で右の桂馬を9筋に跳ねて、銀が動いて少し守備力が下がった相手の左辺に狙いを定める。これに対する33手目を豊島九段が考慮中に午後3時となり、おやつが運ばれた。藤井名人は「成田産さつまいものショートケーキ」、豊島九段は「妖精のお芋 モンブラン団子」とリンゴジュースを選んだ。

 両者は過去34局対局し、藤井名人の23勝11敗で、現在は今期名人戦第1局の勝利まで藤井名人が10連勝中。20日の第9期叡王戦第2局で、伊藤匠七段(21)に後手で敗れ、タイトル戦の対局連勝が16で止まった藤井名人。中2日という過密日程で同じ後手の一局にどう立て直してきたかにも注目が集まる。決着は24日夜の見通し。