◇28日 男子ゴルフ ISPSハンダ欧州・日本トーナメント最終日(静岡・太平洋C御殿場C)

 桂川有人(25)=国際スポーツ振興協会=が開始前の3打差を逆転して欧州ツアー初優勝、日本ツアー2年ぶり2勝目を挙げた。7バーディー、2日連続のボギーなしの63、通算17アンダーで、逆に後続に3打差をつけて圧勝した。欧州を制覇したのは日本人6人目。この優勝により、同ツアー出場権を得た。桂川は愛知県清須市出身で、次週の中日クラウンズ(愛知・名古屋GC和合C)が凱旋(がいせん)試合となる。

 もはや神懸かり的だった。桂川は10番で2メートルにつけて単独首位に立つと、あとは独壇場。12番はピン上1メートルにつけ、13番はグリーン左ラフに大きく外したものの、そこから30センチにつけてパーセーブ。14番2メートル、15番は上から10メートル、16番はグリーンエッジからパターで5メートルを次々に沈めて、3連続バーディー。「ゾーンに入ってました」と言ってのけた。

 初日83位、予選通過圏外からの大逆転。最終Rは最終組の3組前からだったが、途中から圧勝ムード。欧州ツアーのテレビ中継インタビューは、最終組のプレーが終わる前に始まった。「ゴルフ人生で一番のラウンドだった。欧州で好成績を残して、米ツアーに行きたい」。欧州に向けて、はっきり口にした。

 高校時代にフィリピンにゴルフ留学するなど海外志向が強かった。昨年は米ツアー入りを目指して米下部ツアーに挑戦したが、思うような結果を残せず撤退。今年は日本で仕切り直すつもりだったが、2戦目で欧州ツアーの出場権を手にした。ポイントランク10位以内に入れば、来季は米ツアーに昇格できる。

 「昨年はいい結果が出なかったけれど、後悔はないし、自信がついたこともあった。それが今日の優勝に生きた」という。そして、「なるべく早く欧州に行きたい。ヨーロッパはあまり行ったことがなくて、どうやって(航空券などの)チケットを取っていいかも分からないけれど」と不安を語りながら、楽しみで目を輝かせる。

 その前に、次週は地元開催の中日クラウンズ。この日は母親を会場に招いたが、さらに応援の人が増えそう。欧州進出を前に、世界標準の力を見せる。