◇29日 高校野球春季岐阜県大会決勝 県岐阜商3―1市岐阜商(長良川球場)

 今春から”復刻”ユニホームに新調した県岐阜商が市岐阜商に3―1で勝ち、2年連続24度目の優勝を飾った。両校は、5月18日に開幕する春季東海大会(長良川球場ほか)に出場する。3位決定戦では、昨秋王者の岐阜第一が関商工に8―1で勝利した。4校は今夏の岐阜大会で第1シードとなる。

 優勝の瞬間、マウンドに立っていたのはエースだった。県岐阜商は”岐阜商対決”を制し、2連覇を達成。7回にはプロ注目の最速149キロ右腕森厳徳投手(3年)が登板し、3イニング3安打無失点で試合を締めた。

 先発の池田諒真、2番手の近藤朝日両投手(ともに3年)から2点リードでバトンを受け取り、4回に井上湊外野手(3年)の犠飛で勝ち越したリードを守り切った。球場の表示では最速142キロだったが、「ストレートは球速以上に走っていて、変化球もしっかり決められた。優勝できてうれしい」と納得の表情を浮かべた。

 171センチ、77キロと小柄な体格ながら力のある直球とスライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリットと多彩な変化球を操るプロ注目の存在。スタンドではNPB複数球団のスカウトも見守っており、あるスカウトは「小さい体で全身を使って器用に投げている」と評価していた。

 チームは今年で創部100周年を迎え、この春から春夏4度優勝した昭和初期を思わせるユニホームに復刻。白を基調に、胸には青色で「GIFUSHO」の文字。帽子は「G」マークが入った青色で、ストッキングには優勝回数を示す4本のラインが入る。2020年から昨季までは、薄い黄色のストライプ地に鮮やかな青色の帽子とアンダーシャツ、黄色をアクセントにしたストッキングと奇抜なデザインだった。

 伝統のユニホームで目指すのは、2年ぶりの夏の甲子園出場。その前に控えるのが5月の東海大会だ。「東海地区ナンバーワン投手」とも言われる右腕は「実力でナンバーワンだと示したい」と強気で挑む。