2日に名古屋市中区の名古屋東急ホテルで行われた将棋の第9期叡王戦5番勝負第3局で伊藤匠七段(21)に敗れ1勝2敗とかど番に追い込まれた藤井聡太叡王(21)=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖との八冠。91手目に13分を使って一手60秒未満の1分将棋に突入した場面を問われ「直前の(伊藤七段の)7六銀をうっかりしたので負けにしている可能性は高いと思った」と読み抜けがあったことを認めた。実際に中盤以降、ネット中継のAIは藤井叡王のやや優勢を示していたが、93手目で逆転していた。

 それでも1分将棋の中で6連続王手をかけて迫り「基本的には負けかなあと思ってやっていた」とは言いながらも投了まで55手進めた粘りで意地を見せた。

 得意の先手番を落としたことには「終盤がちゃんと読めていないところが多く、そのあたりが結果にも出てしまったかな」と反省。タイトル戦の番勝負で初めて、相手に先に王手をかけられ迎える31日の第4局。「星取りとしては厳しい状況だが、かど番でもやることは変わらないのでしっかり準備して頑張りたい」と逆転でのタイトル防衛に挑む決意を口にした。