アユの友釣りが11日、愛知県のトップを切って豊田市の矢作川(矢作川漁協管内)の上流部で解禁した。早朝は寒かったものの、絶好の天候に恵まれ、好ポイントは移動もままならない竿の放列となった。約200人が入川し、いい人は午前中に30匹以上、平均でも2ケタ釣果となった。型は15センチ止まりでスリムな魚体が中心だったが、天然遡上(そじょう)が良好で魚影はかなり濃い。これからの成育が楽しみだ。

 (東條敏明)

 午前9時の気温21度、水温14度。水位は5センチ減でアカは腐り気味。人気ポイント「小渡ヤナ周辺」は約80人の釣り人が両岸から竿を出し、穂先が当たるチャンバラもあった。地元の人は、「こんなに人が多いとは。私の御漁場も入れない。明日にしよう」と帰っていくほどだった。

 豊田市の山口浩平さん(51)は、夜明けとともに小渡ヤナ上流対岸に入川。ウエットタイツだったので早朝は寒さに震えながらのスタートだったという。右岸から膝上の水深ほどの石裏を中心に、完全泳がせ釣りを展開し、午前9時までに10〜14センチを25匹ほど。「魚はいるけど小さい。糸にゴツゴツ当たってくる。朝イチは真っ黄色のも掛かった」

 竿8・5メートル、水中糸PE0・06号、5・5か6号3本イカリのノーマル仕掛け。「当分、我慢して止めて待つ釣り。魚体はスリム。くみ上げアユかな」。午後は下流へ移動、時折吹く強風の中、瀬を攻めて21匹追加のトータル53匹だったという。

 岐阜県美濃市の長尾保さん(66)は、午前5時過ぎ、小渡ヤナ下流の右岸に入った。竿9メートル、水中糸メタル0・03号とフロロ0・15号、7号4本イカリで泳がせ釣り。10時半までに10〜15センチを19匹。「根掛かり外しで対岸に渡った時、その場で4、5匹連続で掛けた」

 長尾さんの下流に入った豊田市の本田智之さん(62)は同型を20匹。竿7・5メートル、水中糸フロロ0・0125号、6号4本イカリから3本イカリ。「4本イカリだとすぐに引っ掛かる。軽い3本に替え、尾ビレぎりぎりにセッティングして根掛かり軽減。静かに泳がせた。昼からは瀬をオモリを付けて攻めたいね」と本田さん。

 長尾さんは午後1時まで釣り、トータル40匹で納竿した。「早い昼食で場を少し休めたら、魚がよく見えだし、石に付いたアユが背掛かりで掛かりだした」と長尾さん。本田さんは腰痛で午後3時にやめて35匹の釣果だったという。

 監視員によると、川切りする際、団子状になった群れの塊を何個も見たという。今季、天然遡上は良好で、くみ上げアユも相当数入っているようだ。2年前、大規模漏水があった水源橋(明治用水頭首工)では1日で10万匹遡上する日もあったという。漁協の放流は全体で4700キロを予定している。オトリ販売所・若アユの会前では午前9時ごろまでにいい人は2ケタ釣果。型は小渡と同様だった。波立ちの中で掛かっている感じだった。同所付近には天竜産280キロ、県養殖150キロなどが分散放流されているという。

 日券2000円、年券1万2000円。20歳以下無料。(問)矢作川漁協=(電)0565(45)1064