◇16日 中日4―9阪神(バンテリンドームナゴヤ)

 中日は16日、阪神戦(バンテリンドームナゴヤ)に4―9で敗れた。試合前に、打線の中軸を担ってきた中田翔内野手(35)が出場選手登録を抹消された。代わりにダヤン・ビシエド内野手(35)が今季初めて1軍に昇格し、即スタメン出場で、いきなり2安打をマークした。中田の離脱は痛いが、チーム一丸で乗り越えていく。 背番号66が打席に立つと、スタンドからは大声援が湧き起こった。この日、出場選手登録を抹消された中田に代わり、今季初の1軍昇格を果たしたビシエドが2安打。昇格即スタメンの起用に応え、存在感を示した。

 「ファンの人たちの温かい声援には感謝しているよ。結果が出たのはよかったですが、勝てなかったのが残念。どんどんいいものを出していきたいです」。何よりも、竜党からのエールがうれしかった。

 緊急昇格だった。竜にとって痛いニュースが流れたのは試合前。開幕から主軸に座り続けてきた中田が出場選手登録を抹消。ビシエドが1軍行きを伝えられたのは、この日の午後2時すぎころ。同日のウエスタン・リーグ広島戦(ナゴヤ)は、雨天によるグラウンドのコンディション不良で中止。午前中に行われた全体練習に参加し、帰宅後に昼寝をしていたさなかだった。「ちょっとびっくりしたよ」と驚きつつも、体を起こし、本拠地へと向かった。

 試合前のシートノックから合流し、「6番・一塁」で即スタメン出場。久しぶりの本拠地で自然と奮い立った。2回1死二塁で迎えた今季初打席は一邪飛。第2打席は、6点を追う4回2死一塁。カウント1―1から阪神の先発・西勇の139キロのシュートを振り抜くと、打球は詰まりながらも二遊間を破った。今季初安打に笑みがこぼれると、6回の第3打席では先頭で2球目のスライダーを中前に運んだ。

 今季は開幕2軍スタート。同リーグでは30試合に出場して打率3割1分6厘、3本塁打、12打点と好調をキープしていたさなかでの昇格。「良いスイングができている感触はあったので、これからも続けていきたい。まずはナイターの生活に慣れないといけないね。数日で慣れると思うよ」と頼もしい限りだ。