神宮外苑再開発で建て替えが計画されている明治神宮野球場。新球場に期待する声もある一方、公開されているイメージに対して「なんか、金持ち優先が露骨」「外野狭すぎ」「歴史に敬意を払い継承していく神宮球場を」などと、反発の声は根強い。

 球場の公式X(旧ツイッター)アカウントは18日、新球場の新たなイメージ動画を公開した。3月末に公開された動画と比べて大きな変更点は見られないが、やはり今回も多くの意見が書き込まれている。

 内野席の後方にはホテルが併設され、メジャーリーグの球場を思わせるデザインに「球場だけではなく周辺施設を含めたポールパークとして楽しみ」「エスコンを超えてくれ」「こんなカッコ良いスタジアムの片隅に、競馬新聞を読んでるペンギンがいるのか」と好意的な反応はある。また、現在の球場で課題となっているスペースの狭さに「席と通路を広くして頂くだけで良いです」と改善を求める声もある。

 一方、公開されたイメージ動画では、内野席と外野席の間に広いスペースが目立つ。ファンからは「外野応援席削るとか改悪でしかないぞ」「せっかく外野で応援っていう日本独自の文化があるのに」「内野と外野の分断はやだなぁ」「外野席減らして客単価上げるつもりだな」などと不満を訴える声が多い。また、100年近い歴史がある神宮球場に対して「今の神宮が好きなのに」「デザイナーのエゴの塊のようなデザイン。いまの球場をベースにしてほしい。オシャレ感は要らない」「伝統が全てじゃないけど、神宮と甲子園に限ってはそこに拘っていいんじゃないかな」と、もっと伝統をリスペクトすべきという意見も相次いでいる。

 神宮球場は1926年開場。当初から東京六大学野球の舞台となり、1934年の日米野球ではベーブ・ルースがプレー。戦後からプロ野球の公式戦が開かれ、昨年までに計3854試合が行われてきた。

 神宮と同じく長い歴史がある甲子園球場は2007年からオフシーズンに3期かけて改修工事をした前例があるが、神宮は秋に東京六大学野球や明治神宮野球大会があるため工期が限られ、球場内外のスペースも狭いため改修工事は難しい。計画では新球場が2032年までに完成し、現球場は解体される。