SF 第2戦 予選  18日 オートポリス(大分県)

ペン=田村尚之 カメラ=多賀まりお

 ムゲンの新人、岩佐歩夢(22)が参戦2戦目で初のポールポジションを奪取。2番手にコンマ3秒もの大差を築き、ホンダ&レッドブル育成の底力を見せつけた。2番手にダンディライアンの牧野任祐(26)が続き、3番手はナカジマの山本尚貴(35)。女性ドライバー「Juju」こと野田樹潤(18)は、トラブルを乗り越えて予選19番手につけた。4月の第1〜3戦が延期された併催のスーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)は、シーズン初戦となる第4戦で、トムスの野中誠太(23)が2年ぶりの勝利を挙げた。

仕事果たし充実感

 頭ひとつ抜けていた。最終グリッドを決めるQ2の終盤、出走した12台が渾身(こんしん)のアタックを続けるも、岩佐が記録した1分26秒632には遠く及ばす。あっさりとSF初ポールが決まった。

 「クルマのポテンシャルはあった。後は自分がコース上でちゃんと仕事ができるか。しっかりと決められ、自信になった」。淡々と振り返る姿に、一つの仕事を果たせた充実感を漂わせた。

 デビュー戦だった3月の開幕戦では、来季のF1シートを狙う期待の選手としては物足りない結果に終わった。フリー走行で10番手に沈んだのがきっかけで、予選は11番手、決勝も9位止まり。「散々だった。テストから順調だったのを自分で崩した」と悔しすぎる滑り出しを振り返る。

 だが、そこからが“F1候補生”の真骨頂だ。「開幕戦直後は『何が悪かったのか』『何を改善すべきか』を徹底して考え、今大会前には(改善点を)エンジニアと徹底的に話し合ってきた」。味わった悔しさを、次への糧に変換。2番手につけたフリー走行から予選までの良い流れをつくり、最速の座を手に入れた。

災難吹き飛ばす!!

 実は、A組で出走した予選Q1で肝を冷やしていた。コントロールライン目前でエンジンが息つくトラブルが発生し、「コンマ5〜6秒失ったので、Q2にいけないと思った」が、それまでの“貯金”が生きて2番手通過。自慢の速さでアクシデントを吹き飛ばした。

 その視線は既に、19日の決勝へ向く。「ポイントはレースだから。じっくりと準備をしたい」。ポールtoウインに狙いを定め、自分のやるべきことをやり切る覚悟だ。