◇6日 J1第12節 名古屋3―2広島(エディオンピースウイング広島)

 名古屋グランパスは広島を破り連敗を2で止め、今季6勝目をマーク。広島に今季初黒星をつけた。FW永井の思い切りが、勝利の女神を振り向かせた。

 2―2の後半39分、永井はMF椎橋のロングボールに抜け出し、ペナルティーエリア内で胸で収めた。最初のシュートははじかれたが、ゴールと逆方向にこぼれたボールを追いかけ蹴飛ばすと、詰めてきた広島のDF佐々木の左足に当たり、ループシュートのような軌道に。GK大迫の頭上を抜く、勝ち越し弾となった。

 すぐ左にはFWユンカーが走っていたが、永井は「先に触ってどうにかしてやろうと。だから強くつついた。キャスパーにこぼれればラッキーだなと。運が味方した」とニヤリと笑顔をつくった。

 ユンカーは右膝内側半月板損傷から約2カ月ぶりの復帰。「シイ(椎橋)の素晴らしいパス、ケンスケ(永井)の素晴らしい走りから得点が生まれた。ぶっちゃけて言うと、最後の場面で自分が何かしたわけではないが、いい形の攻撃が結果になってよかった」とほほ笑んだ。

 前半で2点を先取しながら、後半早々に追いつかれた苦しい展開。同36分にユンカーが投入された直後で「守備の部分は竜司(MF和泉)に任せながら、その分攻撃にパワー使っていた」(永井)と、まさに勝負をかけた場面だった。

 自らのゴールかのように、グランパス側ゴール裏で喜びを爆発させた永井。「そら、2連敗してるからね。そりゃうれしいよ」。ユンカーは「やっとチームの勝ち点につながってうれしいし、もっともっとできることがあるので、それをひたすらやることが大事」。つかんだ運も追い風に、再び上昇気流に乗っていく。