◇27日 中日4―6広島(バンテリン)

 待望の移籍後第1号が飛び出した。先発の梅津が先制2ランを浴び、2回1死で中日・上林が迎えた第1打席だった。2ボール1ストライクから広島の先発・森下の137キロの変化球を引っ張る。「抜かれましたが、うまく打てました」とアーチを描いた打球はドラゴンズファンが青く染め上げた右翼席に突き刺さった。 一昨年5月、試合前の練習で右アキレス腱(けん)断裂の大けがを負った。その影響で昨季は56試合の出場で打率1割8分5厘。昨オフ、10年間所属したソフトバンクから戦力外通告を受け、竜に加わった。

 故障から約2年が経過した現在もアキレス腱の状態は完全ではない。「思った以上に難しくて、体がうまく言うことをきいてくれないところがあります」。復帰年の昨季は自身7年ぶりに本塁打0。もう打てないのではないかという不安もあった。その中で放った735日ぶりの一発。「1本出たので、ホームランの打ち方じゃないですけど、感覚というものを体が思い出したと思うので、とりあえずほっとしました」と懸念を一蹴した。

 今季はここまで20試合に出場し、打率2割4分6厘。打撃はまだ本調子とはいえないが、打率2割を切った一時と比べ調子を取り戻しつつある。