■ベテランライダーが経験した間抜けな失敗を繰り返さないでほしい

やっちまった、とならないように注意したいこと
やっちまった、とならないように注意したいこと

「なんであのとき、あんなことをしたんだろう?」バイクに長くのっていればミスもします。その理由は無知だったり、うっかりしていたりとさまざまですが、知っていれば、気をつけていれば避けられたかも。

バイク歴30年近いベテランライダーが過去に経験した失敗談をシリーズでお伝えします。同じような間抜けなミスをしないように反面教師にしていただければ幸いです。

第3回は、けっこうやっているひとも多いので、注意喚起したいヘルメットの置きかたの話です。

●シートの上にヘルメットを置いていませんか?

休憩のときや、乗る準備をするときなど、ヘルメットをシートやタンクの上にポンと置いていませんか?

置いたときには大丈夫だと思っても、なにかの拍子に落ちることがあります
置いたときには大丈夫だと思っても、なにかの拍子に落ちることがあります

私も昔は置いていました。ちゃんと置けば、地震や強風でもないかぎりは大丈夫だと思ってました。でも、あるとき、ヘルメットをシートの上に置いて靴紐を直していると「カコンッ」と音がしました。見るとヘルメットが落下していました。

自分がヘルメットやバイクにぶつかった気はしなかったので、置きかたが悪かったんですかねぇ。ヘルメットはほんのわずかですが表面が剥がれてキズがついてしまいました。それでヘルメットを買い換えることはしませんでしたが、「やっぱり落としてしまうものだなぁ」と大いに反省しました。

でも、そのあとも、たまにヘルメットをシートやタンクの上に置くことはありました。本当に若い頃って面倒くさがりですね。バイク屋さんに引き取りにいったときにも置き場所に困って「地面に置くのもよくないかな」と思ってシートの上にポンと置いたところ、バイク屋のオヤジさんに「そんなところに置いたらダメだよ!」と叱られたこともありました。

年をとったせいなのか、いつのまにか面倒くさがらずに、たいていの場合はバイクのヘルメットホルダーに掛けるようになりました。また、置く場合は地面に置くようにして、けっしてシートやタンクの上など、滑り落ちる落ちる可能性がある場所に置くことはしなくなりました。

アライヘルメットのウェブサイトには、『オートバイのシートから、または手に持っていた程度の高さから不注意で落としたくらいでしたら、たとえ地面がコンクリートであっても大丈夫です。外観の塗装がはがれる程度なら、安全性能に問題はありません』と書いてあります。

ヘルメットホルダーにぶら下げるのが確実です
ヘルメットホルダーにぶら下げるのが確実です

とはいえ、硬いアスファルトの上などに落としたらキズはつくし、繰り返し落としたような場合にはダメージが残るかもしれません。ヘルメットは生命を守ってくれる大事なアイテムなので、やっぱりリスクの高いシートの上やタンクの上、そしてミラーには置かないほうがいいと思います。

そうは言っても、高速道路のSAなどでは、ご存じないのか面倒くさいのか、けっこうバイクのシートやタンクの上にヘルメットを置いているかたを見かけます。最近ではSNSなどでもそういう映像を見かけることがあるので、ちょっと心配です。

●ミラーにのせるのもよくないってご存じですか?

かなりのライダーがミラーにヘルメットをかけています
かなりのライダーがミラーにヘルメットをかけています

そしてもうひとつ、ミラーにヘルメットをのせているひとも多く見かけます。タンクやシートの上に置くよりずっと落下しにくいのでいいんじゃないかと思っているひとも多いのではと思います。でも、これはちがう理由でヘルメットによくないらしいんですね。

アライヘルメットの説明書には「ミラーの角でシールド内面が傷付いたり衝撃吸収ライナーが変形するおそれがあり、変形したライナーは衝撃吸収能力に少なからず影響を及ぼします」とあります。ミラーにヘルメットをかけるのって絵にはなるんですけどね。やっぱりよくないようです。

クロスカブはヘルメットホルダーが奥まっていて使いにくいので、私はキジマのヘルアシストキーホルダーを使っています
クロスカブはヘルメットホルダーが奥まっていて使いにくいので、私はキジマのヘルアシストキーホルダーを使っています

というわけで、ヘルメットを脱いだら、少々面倒でもバイクのヘルメットホルダーにかけておくのがおススメです。

ヘルメットホルダーがついていない車両の場合は、後付けできる製品もありますし、純正のヘルメットホルダーが使いにくい場合には、使い勝手をよくする金具も売られていますよ。