米財務省は、非代替性トークン(NFT)ゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」のサイドチェーン「ローニン(Ronin)」から6億ドル以上の仮想通貨を盗んだハッカー集団と関連があるとされる3つのイーサリアムウォレットのアドレスを制裁対象に追加した。

米財務省外国資産管理室(OFAC)は22日、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」に関連する3つのイーサリアムアドレスを同省の制裁リストである「特別指定国民(SDNリスト)」に指定した。米連邦捜査局(FBI)やサイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)を含む米当局は、3月にローニンサイドチェーンから17万3600イーサ(ETH)と2550万USDコイン(USDC)以上が盗まれた事件に関与したとしてラザルスを標的にしていた。盗まれたトークンの総額は当時の金額で6億ドルを超えていた。

米財務省は22日、米国と国連が課した制裁を北朝鮮が回避するのを阻止するため、これらのウォレットアドレスを制裁リストに追加したことをツイッターで示唆した。ブロックチェーンの記録によると、ローニンのハッキング事件に関与したウォレットアドレスの少なくとも1つは盗み出した資金をトルネードキャッシュ(Tornado Cash)を含むミキサーサービスに送っていた。

ETHアドレスを制裁対象に追加した今回の動きは、制裁を受けている国の資金調達手段となっているデジタル資産を特定するOFACによる最新の措置となる。OFACは今月上旬、ランサムウェア攻撃や他のサイバー犯罪の支払いに関連しているとされているロシア拠点のダークネット市場のヒドラ(Hydra)と仮想通貨取引所ガランテックス(Garantex)に加え、ロシアの仮想通貨マイニング企業のビットリバー(BitRiver)に制裁を課すと発表した。