フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんが一日一花、暮らしが華やぎ、活力をもらえるおすすめの花をナビゲート。今日は、花を飾ってみませんか?
5月1の花は「スズラン」
爽やかな香りと小さなベル形の花姿が特徴のスズランは、ヨーロッパで春の訪れを告げる花として愛されてきました。
可憐な白い色は純潔の象徴とされ、キリストが十字架に磔にされた時に聖母マリアが流した涙がスズランの花になったという伝説もあります。
そして、本日5月1日はスズランの日。
スズランの日発祥のフランスでは、街中にスズランの花束を売る屋台が並ぶといいます。
そのきっかけは16世紀にさかのぼります。
時のフランス王シャルル9世のもとに、幸せを呼ぶ花とされていたスズランの花束が贈られました。
王はスズランの花をとても気に入り、周りの人にも幸せを分けてあげようと、それ以来毎年のように、王にスズランが届いた5月1日に、宮廷の婦人たちにスズランを贈るようになったといわれています。
一人の王の優しさが、国中に広がったフランスらしい素敵なエピソードですよね。
シャルル9世のように、大切な人にスズランを贈ってみてはいかがでしょう。
【スズランの花言葉】幸福が帰る、幸福を取り戻す、純粋、愛の告白、意識しない美しさ
【スズランが誕生花の人】5月1日、5月2日、5月3日、5月5日、5月28日生まれ
佐藤俊輔(さとう しゅんすけ)
フラワーデザイナー。大手百貨店退社後、花の世界へ。2014年モナコ国際親善作品展国内選考会で特別賞を受賞。'17年「女性自身」(光文社)、’19年日本最大級の花材通販「はなどんやアソシエ」にて季節のアレンジメントを連載。’20年から、CREA WEBにて「Playful Flower Life!」連載中。
文=佐藤俊輔
イラスト=佐藤弘昌