絶叫アナはニュース7を外れる

 NHKの看板ニュース番組「ニュース7」のキャスターを務める和久田麻由子アナの産休が発表され、それに伴う各番組の陣容の変更も固まったようだ。

 気の早いことに、2年連続の産休となる和久田アナをめぐっては復帰後のポストについて早くもささやかれていることがあるという。

 和久田アナは「ニュースウオッチ9」のキャスターを務めていた2022年春、第一子を妊娠して産休に入ったが、翌23年4月に「ニュース7」のキャスターとして舞い戻ってきた。そして今年に入って第二子を妊娠していることがわかり、4月から産休に入る予定だ。

 その和久田アナの後継となるのが副島萌生(そえじまめい)アナで、コンビを組むのが糸井羊司アナ(46)。共に月曜〜木曜を担当し、金曜〜日曜と祝日は高井正智アナが続投し、森下絵理香アナ、川口由梨香アナが加わる。現在この時間帯を担当し、年明け早々に発生した能登半島地震直後の緊急地震速報で「絶叫アナ」として注目された山内泉アナはこれまで担当していた「ニュース7」から外れることとなった。

どのポジションで復帰するのか

「ニュースウオッチ9」についてもおさらいしておこう。

 メインキャスターは星麻琴アナで、政治部の広内仁記者と国際部の佐藤真莉子記者との3人体制となり、現在キャスターを務めている林田理沙アナは「サタデーウオッチ9」に異動する。3年にわたってキャスターを務めた田中正良キャスターは退任。林田・田中の両キャスターと共に出演してきた青井実アナはすでに番組から消えており、退社予定。今春からフジテレビ夕方の報道番組「Live News イット!」で、キャスターを担当することが報じられた。

「和久田アナを起点に人事が展開された印象ですね。名実共にエースアナの証明といったところでしょうか」

 と、NHKのある幹部局員。

 一方で、早くも復帰後のポストについてささやかれていることがあるという。

「前回の産休明けを例にすると、来春にも復帰というスケジュールもあり得るわけですが、その場合どの番組のどのポジションでなのかということが気になる点ではありますよね」(同)

エース待遇を続けるなら

「エース待遇を続けるなら、今ある枠組みだとニュース7のキャスターに復帰ということになるわけですが、そうなると副島アナに対するケアが必要になる可能性も出てくるでしょう。そうでないなら、ニュース7以外に新たに力を入れた番組を立ち上げ、和久田アナに興味を持ってもらうという流れはあるかもしれないですね」(同)

 一方で、すでに看板番組のキャスターを経験した立場として、「達成感」を抱いている可能性を指摘する声もあるという。

「後進を育てることの意味も和久田アナはよくわかっているでしょうから、エースとして待遇されるなら『ニュース7』そのものに戻らない選択をするかもしれません。それならNHKとしてありがたい話でしょうが、最も避けたいシナリオが青山祐子アナのパターンだと言われています」(同)

フリーの選択肢が浮上

 1995年に入局し、2019年に退職した青山アナは、在職中、「ニュースウオッチ9」やオリンピック中継のメインキャスターや「スタジオパークからこんにちは」の司会などを務めるなどし、NHK内で一、二を争う人気アナだった。

 2011年1月に結婚。翌12年1月から産休を取得し、それ以降4人の子供を授かった。休職期間は約7年にわたり、職場復帰することなく2019年3月に退職することとなった。もちろん産休など休職は労働者の権利なのだから文句を言われる筋合いではないのだが、組織の側は、ここまで長引くことは予想していなかった可能性もある。

「青山アナの退局までの流れはNHKとしては想定外だったと思いますが、和久田アナの場合も育休期間の長さは別として、復帰せずにフリーを選択することも想定されます。その際の状況次第とはいえ、これまでにない争奪戦になるでしょう」(同)

 これを裏返せば、NHKとしては和久田アナに魅力的な選択肢を提案しなければ……といった強い圧力がかかっている状況なのかもしれない。

 今回の一連の人事については、《関連記事「異動先は意外と大変…中山果奈、副島萌生、林田理沙、星麻琴…注目のNHK女子アナ、局内で語られていること」》にて詳しく触れている。

デイリー新潮編集部