4月13日、有働由美子アナ(55)と俳優でシンガーソングライターの松下洸平(37)がMCを務める音楽番組「with MUSIC」(日本テレビ)のレギュラー放送がスタートした。3月30日の“お披露目特番”では視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の占拠率が28・1%を達成し、絶賛されたそうだが……。

 ***

 番組冒頭、赤く染めたショートヘアで現れた有働アナに松下が絡む。

松下:有働さん、髪型がガラリと変わりましたね。

有働:生まれて初めて脱色して、「with MUSIC」仕様。

松下:あらぁ! しかも、かなり短くなりましたね。

有働:そうなんですよ。「SLAM DUNK」、読んだことありますか? (桜木)花道さんのイメージ……(笑)。

 有働アナも気合い十分である。この日の目玉は、歌手生活25周年を迎えた宇多田ヒカル(41)だった。放送時間の半分以上を費やして、彼女の歌はもちろん、インタビュー、さらに椎名林檎(45)とのテレビ初共演も流された。レギュラー初回だけに、気合いも入っていた。ところが……。日テレ関係者は言う。

「個人視聴率は3・2%と合格点の5%を下回りました。同時間帯で見ると民放4位、テレビ東京『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』の6・4%にも惨敗でした」

 さらに悪いことに……。

テレ東が肉薄

「実は、日テレはコア視聴率(13〜49歳の男女の個人視聴率)の改善を掲げて今年度の改編に取り組み、編成局から『もう個人視聴率は気にするな。コア視聴率を圧倒的に取って、それで個人視聴率も上げていく』というお達しがあったばかりでした。社内のあちこちに張られた高視聴率のポスターは、すでにコア視聴率が中心となっているほど。そんな中、『with MUSIC』はコア視聴率が2・1%しか取れず、民放4位だったのです」

 この日、同時間帯に放送された民放のコア視聴率を比べると――

●日本テレビ「with MUSIC」(19:56〜20:54)【2・1%】
● テレビ朝日「サンドウィッチマンの禁断ランキング」(18:56〜21:54)【3・5%】
●TBS「この歌詞が刺さった!グッとフレーズ 春」(18:51〜21:56)【2・6%】
●テレビ東京「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(19:54〜20:54)【2・0%】
●フジテレビ「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」(19:00〜21:00)【3・5%】

「最下位のテレ東にも0・1ポイント差で迫られています。コア視聴率の合格点は、占拠率では33%とされています。たとえば、『世界の果てまでイッテQ!』はコア視聴率の占拠率が37・4%、『月曜から夜ふかし』なら35・1%と目標を達成しています。ところが、『with MUSIC』の占拠率は12・7%と目標にはほど遠い結果でした。局内では『こんなはずじゃなかった』という声が広がっています」

 レギュラー化前の“お披露目特番”の数字は良かったと聞くが。

前番組より落ちた

「3月30日の2時間特番は、コア視聴率は民放トップの4・3%、占拠率で見ても28・1%と、レギュラー化を前にした期待を込めて『よくやった。内容的にも素晴らしい』と絶賛されていました」

 レギュラー化前の特番とレギュラー初回で、なぜそれほどの差が出たのか。

「特番のメインゲストは、先日の日米首脳会談にも招かれた世界的大ヒットユニットのYOASOBI。地上波出演が超レアな2人から、たっぷり話を聞くことができました。さらに、福山雅治(55)と大泉洋(51)の紅白コンビ、ジャニーズを飛び出た元King & Princeの3人が組んだNumber_iと見どころも多かった。対してレギュラー初回は、宇多田のほかは、ナオト・インティライミ(44)、ロックバンドのSaucy Dog、そして11人組ガールズグループのME:Iと並べたものの、正直言ってそれほど“見たい感”はありませんでした」

「with MUSIC」は20年近く続いた「世界一受けたい授業」を打ち切ってのスタートだった。

「『世界一』の総合司会・堺正章さんは現在77歳。進行のくりぃむしちゅー・上田晋也さんと有田哲平さんの2人も53歳ですから、視聴者も高齢化していました。視聴者の若返りを図る、つまり、コア視聴率を上げるために『with MUSIC』をスタートさせたわけです。『THE MUSIC DAY』(日テレ)はじめ『COUNT DOWN TV』(TBS)や『ミュージックステーション』(テレ朝)といった音楽番組の特番は、コア視聴率が驚異的に高いことがあります。ところが、『世界一』の最終回の視聴率は、個人が5・1%、コアが3・7%と、『with MUSIC』を大きく上回っていたのですから皮肉なものです」

 ちなみに、次週4月20日の「with MUSIC」は、早くも2時間特番だ。

「旧ジャニーズのWEST.やAぇ! group、元男闘呼組の成田昭次(55)が結成したNARITA THOMAS SIMPSON、ミュージカル俳優の山崎育三郎(38)などの出演が発表済みですが、目玉は『有働が聞く!宇多田ヒカルの今“完結編”』になるようです。宇多田のインタビューを2回に分けずに初回に1時間丸々放送したほうが良かったかもしれません」

デイリー新潮編集部