同じ戌年生まれのご縁である。女子プロゴルファーの江澤亜弥選手(29)がバレンタインデーの2月14日に入籍した。お相手は会社員のT也さん(41)。12歳差だ。

 出会いは2019年11月。T也さんはある親睦ゴルフ会の運営の手伝いを上司に頼まれた。参加してくれた女子プロ二人のうち、亜弥さんをサポートする係にT也さんがついたのだ。

「プレーはせず、プレーに出る人たちをお見送りするアテンド役だったので、待ち時間に二人でしゃべっていたんです」(亜弥さん)

 当時25歳の亜弥さんに年齢を聞かれ、「37歳です」とT也さん。亜弥さんは、

「エッ? 戌年ですか!?」

 話が盛り上がり、前日に染めてインスタグラムに載せたほどお気に入りの髪色を彼から褒められた亜弥さん。「もともと年上が好きで年齢差は気にならなかった。懐かしい感じで包み込むような雰囲気。すごく安心感がある」。T也さんに抜群の印象を抱いた。

初デートで「この人と結婚する」と予感

 一方のT也さんも「すっごくかわいいな」。帰りの車中で上司に「恐ろしくかわいい子でした」と報告し、「中途半端な気持ちじゃだめだぞ」とくぎを刺されつつも、すでに思いは亜弥さん一色。その日のうちに「今日はありがとうございました」とメールを送った。

 その後も速攻の手を緩めず、「オフになったらランチでも行きませんか。お話、もっとしたいです」と誘い、銀座の焼き肉店へ。帰路に「次はいつ会えますか」と聞くと、亜弥さんは、「会いたいと思ってくれてるんだ。うれしい」と乙女心を震わせた。T也さんはこの初デートで「この人と結婚するんだろうな」と予感したそうである。

告白は羽田空港で

 翌年2月、タイでのゴルフ合宿から帰国した亜弥さんをT也さんは羽田まで迎えに行き、「付き合ってください」と申し出る。返答は「ぜひお願いします」。正式に交際がスタートした。

 山梨の昇仙峡、山形の庄内地方などを二人で訪れた。「ツアーの移動はいつも一人。山形旅行は二人で新幹線。移動さえ楽しかった」と亜弥さんは頬を緩ませる。

 T也さんが彼女のツアーに訪れることも。北は北海道から南は香川県まで行ったが、それ以上に亜弥さんの応援にハマったのがT也さんのご両親。T也さんから彼女を紹介されると、学生ラガーマン時代の息子を応援していた頃の情熱がよみがえり、全国を訪れては亜弥さんのプレーに熱視線を注ぐようになった。

「商品券の箱」で求婚

 誕生日などのイベント時に必ず二人で行く焼き肉店で、昨年のクリスマスを過ごした。T也さんは店でプロポーズする予定だったが、インフルエンザ明けの亜弥さんは体調がすぐれず、二人で同棲中の家へ帰宅。T也さんはそこで「クリスマスプレゼント、あるよ」と小さな袋を差し出した。

 亜弥さんが受け取った袋の中身は商品券の箱。開封すると、小さく折り畳まれた紙片が。T也さんの名前や証人欄があらかじめ書き込まれた婚姻届だった。

「商品券と思い込んでたし、プロポーズは指輪をもらうイメージだったので頭が混乱してしまった」という亜弥さんだが、もちろん「よろしくお願いします」。

互いの両親を目標に

 T也さんは最近、仕事の付き合いでゴルフクラブを握り始めた。奥様がプロゴルファーなら、さぞやいい指導が受けられる?

「いや、小さい頃からゴルフをやっているからか、教え方が感覚的で“長嶋(茂雄)さん的”というか。腰をギュッとやればいいって言われてもね」とT也さんは笑う。

 そんな二人の目標はお互いの生みの親。亜弥さんの両親はどこに出かけるのも一緒。T也さんの両親は二人でコンサートや旅行によく出かける。亜弥さんいわく「私たちもずっと仲良しで、コンサートや旅行にも行きたいな」。彼のゴルフの上達と同じ歩調で、愛も育まれていきそうだ。

「週刊新潮」2024年4月11日号 掲載