「オープン戦、中日4−0阪神」(17日、バンテリンドーム)

 開幕3戦目の先発が予想される阪神・才木が5回8安打3失点。8安打は全て直球を打たれた。昨年まで中日で1軍バッテリーコーチを務めたデイリースポーツ評論家の西山秀二氏は「才木は直球への意識を変える必要がある」と指摘した。

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 才木は直球にテーマを持って投げていたようだが、少し意識を変えた方がいいかもしれない。痛打されたボールは構えた捕手の肩の高さ。直球は構えた捕手の膝の高さに集めてこそ、初めて生きてくるというものだ。

 捕手の肩の高さでは、打者の目線を下げることができない。一番当てやすい高さだから、空振りを取ることが難しい。また、打者の意識が低めにないから、これまでなら振ってくれていたワンバウンドするようなフォークを投げた瞬間から「これはボールだ」として余裕で見送られていた。

 指にしっかりとかかった直球を低めに制球できれば、打者の目線が下がり、それに伴ってボールゾーンに落ちるフォークにも手を出してくれる。また、低めに集まることで、高めの直球で空振りが奪えるようになる。

 いくら150キロ中盤の直球を投げていても、高さが甘ければプロは対応してくる。空振りは力強さで取る、取れるものではない。『構えた捕手の膝の高さ』。このフレーズを大事に覚えておいてほしい。