「オープン戦、ソフトバンク9−10阪神」(19日、ペイペイドーム)

 阪神が壮絶な乱打戦を制した。先発の村上が5回11安打8失点で降板も打線が奮起して16安打10得点でオープン戦で初の2桁得点。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「若手の成長を確認することもできた」と評価。5三振と精彩を欠いた中野については「今がいい試練」と修正を期待した。

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 オープン戦の勝ち負けは重要ではないが、それでも阪神のこうした勝ち方はシーズンに向けての好材料を確認できるものだった。

 昨シーズンも、劣勢にもひるまない戦いで頂点に立った阪神だが、この日もまず3点先行された直後の三回、1死一、三塁から中野が三振に倒れたが、そこで森下が適時打を放ち、昨年と変わらぬ粘り強さを発揮し、試合の雰囲気を変えた。

 近本は好調、坂本もしっかりと役割をこなす。中堅以上が存在感を示す中で、佐藤輝が4安打、森下に加え小野寺も活躍。雑になりがちな展開にありながら、一つ一つチャンスをつなげていく逆転劇の立役者として、若手の成長を確認することもできた。

 ただ中野が無安打、5三振と精彩を欠いたが、しっかりとレギュラーをつかみ、フルイニング出場も成し遂げた選手だ。シーズン中にも調子が落ちる時期は必ず訪れる。欠かせぬ選手としてフルイニング継続へ、今がいい試練と受け止め、焦らず修正を図ってほしい。あとは大きな故障者を出さずに開幕を迎えるだけだろう。