今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が低い会社ランキング2023最新版【従業員100人未満】」を作成した。対象は、単体ベースの従業員数が100人未満の企業で、対象期間は22年5月期〜23年4月期。

 年収ランキングシリーズでは通常、単体ベースの従業員が少ない会社は除外しているが、今回はあえて100人未満の企業を対象にしているので、これまで紹介できていなかった企業が多数登場する。

 早速、ランキングを確認していこう。

1位は新都ホールディングス
平均年収は223.2万円

 1位は、新都ホールディングス(HD)で、平均年収は223.2万円。1984年にアパレルの卸売りで創業した同社だが、現在の主軸は資源再生事業であり、国内に複数の工場があるほか、中国にも子会社を持っている。

 このランキングの対象である23年1月期の業績は、売上高が40億1900万円(前年同期比15.72%減)、営業損失が2億900万円(前期は4400万円の黒字)だった。

 なお、24年1月期の業績予想は、売上高63億2100万円、営業損失2億400万円。非鉄金属のスクラップ取引が拡大したことなどで増収となる一方、リサイクル技術や廃棄物中間処理技術への機械化対応が遅れたこと、廃プラスチック加工分野における原材料価格が円安や石油高騰により高止まりしている影響などで利益を確保できそうもないという。

 経営状況の推移を見るとコロナ禍の影響を大きく受けた最悪期は脱しているほか、自己資本比率は19年1月期の20%台から足元では60%台に回復しているものの、従業員の年収が上がるほど業績が拡大するのにはまだ時間がかかりそうだ。

2位は、不動産企業のエスポア
23年2月期は債務超過に転落

 2位は愛知県に本社を置く不動産企業エスポアで、平均年収は253.3万円。このランキングの対象である23年2月期まで、純損益が4期連続で赤字と低迷している。しかも23年2月期の純損失は23億5900万円と、売上高(13億9500万円)を上回った。保有する不動産で多額の減損損失を計上し、業績が大幅に悪化したことで債務超過に転落した。詳しくは、特集記事『倒産危険度ランキング2024【不動産75社】10位東京建物、財閥系大手もランクイン』を参照してほしい。

 3位は、リテールパートナーズで、平均年収は273.3万円。同社は、山口県を中心に展開する丸久、福岡県を中心に展開するマルキョウ、大分県を中心に展開するマルミヤストアなど、地域密着型のスーパーマーケットやディスカウントストアを運営する企業の持ち株会社だ。なお、単体の従業員数は9人だが、連結の従業員数は2000人弱で、グループが抱える総店舗数は267店(23年2月期)に上る。

 4位は東京都に本社がある、夢みつけ隊で、平均年収は288.3万円だった。同社は、中高年男性をターゲットにした通販事業を主に展開し、健康器具などの雑貨、健康食品などを販売している。

 5位はファンドの管理・運用や不動産投資などを行うファンドクリエーショングループで、平均年収は293.9万円だった。なお、5人の従業員はグループ会社から同社への出向者であり、今回の平均年収は同社の人件費負担額から算出されている。よって、兼務しているグループ会社から支払われた給与などは含まれていない。

 ランキングの完全版では、6位から500位までを紹介する。人気飲食店チェーンの串カツ田中HDや、宝飾品ブランド「4℃」を展開するヨンドシーHDなどがランクインしている。中には業績が非常に厳しかったり、経営面で大きな課題を抱えていたりする企業もある。どんな企業が何位で年収はいくらなのか、チェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)