歯のケアのひとつであるホワイトニングは、見た目の美しさを保つことだけではなく、虫歯や歯周病予防につながるケアとしても近年注目されています。
なぜ、歯のホワイトニングが虫歯や歯周病予防につながるかについては、前回の「歯のホワイトニングと予防歯科」でお伝えしていますので、ぜひご覧ください。

今回は、歯のホワイトニングにはどのような違いがあるかということで、「歯のホワイトニングの種類と効果」についてお伝えいたします。

ホワイトニングの種類

ホワイトニングの種類は、ホワイトニングを行う場所や使う薬品、歯の状態等で下記のように大きく3つに分けられます。
中でも歯科医院でのホワイトニングには、「歯を白くする」という意味合いで、さまざまなホワイトニングの方法があります。

1. 歯科医院でのホワイトニング
・ オフィスホワイトニング
・ ホームホワイトニング
・ ウォーキングブリーチ
・ 被せ物で歯を白くする など
2. サロンでのホワイトニング
3. 市販薬品を使用したホワイトニング

1. 歯科医院でのホワイトニング

・オフィスホワイトニング
① 方法:過酸化水素を含む漂白剤のペーストを歯面に塗り、光を照射する
② 所要時間:1回1時間程度
③ 回数:効果の程度には個人差があるが、通常3〜6回の通院が必要となる
④ メリット:
■ 歯科医院でしか扱えない過酸化水素を使って着色汚れを分解する施術が受けられるため、1回の施術でホワイトニング効果が得られることが多い
■ 歯科医師が施術を行うため、安全にホワイトニングを受けることができる
■ 事前に口腔内を確認するため、虫歯や歯周病の早期発見、予防効果が期待できる
⑤ デメリット:
■ 処置後に多少の知覚過敏を生じる
■ 使用する薬剤によっては、処置後に飲食の制限がある

・ホームホワイトニング 
① 方法:歯科医院で専用のマウスピースを作り、そのマウスピースにホワイトニング剤を塗布し、歯に装着する
② 所要時間:装着時間は、使用する薬剤の濃度や種類によって異なるため、1〜2時間のものもあれば、寝ている間中(6〜8時間)装着するものもある
③ 回数:使用する薬品により異なるが、数日〜1週間以上継続することで効果が得られる
④ メリット:
■ 好きなタイミングでホワイトニングを行うことができる
■ オフィスホワイトニングに比べて後戻りがしにくく、自然な白さに仕上がる
■ 薬液は刺激が少なく、知覚過敏になりにくい
⑤デメリット:
■ オフィスホワイトニングにkくべ、薬液の濃度が低いので白くなるまでに時間がかかる

・ウォーキングブリーチ
① 方法:過去に神経を抜いた歯(失活歯)に対して、歯の内面から薬を作用させる
② 所要時間:処置自体は1時間程度
③ 回数:変色の程度により異なるが、通常、目的の白さを獲得するまでには漂白剤を数回、新しいものに交換する必要がある
④ メリット:
■ 濃く変色している象牙質に直接作用させるため、高い漂白効果が期待できる
⑤ デメリット:色の後戻りが起こりやすい
■ 漂白反応により発生したガスが歯の内部に溜まり、歯にヒビが入ることや痛みが生じる場合がある

・ 被せ物で歯を白くする
① 方法:セラミックなどの白い被せ物を歯に被せる
② 所要時間:被せ物の種類により異なるが、数週間かかる場合もある
③ 回数:数回、歯科医院に通院する必要がある
④ メリット:
■ 材質が劣化しない限り、歯の白さが保たれる
⑤ デメリット:
■ 健康な歯を大きく削る必要がある

2. サロンでのホワイトニング

① 方法:薬液を歯面に塗布し、光を照射して歯の表面に付着した汚れを除去する
② 所要時間:初回はカウンセリング等のため数時間かかる場合もあるが、2回目以降は30分程度となる場合が多い
③ 回数:使用する薬品により異なるが、1回〜数回程度
④ メリット:
■ 処置後でも食べ物や飲み物の制限がない場合が多い
⑤ デメリット:
■ 歯科医院専用の薬剤を使用したホワイトニングを受けることができない
■ 虫歯や歯周病など歯の定期的なメンテナンスを受けるためにサロンとは別で歯科医院に通う必要がある

3. 市販薬品を使用したホワイトニング

① 方法:市販されている歯を白くする歯磨き粉等を使用する
② メリット:ドラッグストアなどで手軽に購入できる
③ デメリット:専用の薬剤を使用したホワイトニングと比較して効果が薄い

今回は、ホワイトニングの種類や効果、そしてそれぞれのメリットやデメリットについてお伝えしました。
歯や口の美と健康を維持するためには、ホワイトニングによる見た目の美しさだけではなく、虫歯や歯周病予防など、定期的なメンテナンスも非常に重要となります。
ホワイトニングを受けることで、歯や口の健康を考える良い機会としていただき、ぜひ歯科医院での健診も定期的に受けましょう。
次回は「歯のホワイトニング後の食事や注意点」についてお伝えいたします。

参考資料
・日本歯科医師会「ホワイトニング お口の病気と治療」