キャサリン妃ががんを患っていることを公表してから2週間が過ぎた。ヘンリー王子とメ―ガンさんに対し、「ストレスを与えたことに謝罪がない」という声が上がっている。 

1月23日、ジャマイカでのイベントにサプライズ登場したヘンリー王子とメ―ガンさん(写真:Backgrid UK/アフロ)

 現地時間の3月22日、キャサリン妃(42)はがんを患っていると公表した。がんの部位やステージなどは明かさなかったが、ショックを受けたこと、3人の子どもを安心させようと、それぞれの成長に合わせて説明したことなどを率直に打ち明けた。自分には「時間、空間、プライバシーが必要」と理解を求め、一般のがん患者に向けて、故エリザベス女王の名言に倣って「あなたは一人ではない」と励ましのメッセージを送った。

 世界中からお見舞いが数多く寄せられた。アメリカのバイデン大統領、フランスのマクロン大統領など、各界の要人が速やかな回復を願う言葉を届けている。

■世界中からお見舞いと謝罪

 今年1月、キャサリン妃が腹部の手術後、自宅療養に入ると発表したものの、妃の姿が全く見られなくなったことから、さまざまな憶測が流れていた。趣味の悪いジョークにしたり、からかったりする人たちもいたが、彼らはキャサリン妃のがん公表後、SNSの投稿を削除するなどして謝罪。アメリカの俳優ブレイク・ライブリーは「恥じ入っています。ごめんなさい」とし、アメリカのテレビ番組の司会者などの謝罪も相次いだ。

 そんな中、イギリスのメディアの中から、肝心な人からの「謝罪がない」との声が上がっている。デイリーメール(オンライン)が「ヘンリー王子(39)とメーガンさん(42)は通りいっぺんの声明は出したものの、妃に与え続けた多大なストレスについての謝罪がまだ聞こえてこない」とコメントしたのだ。

 メーガンさんは結婚式の準備段階からキャサリン妃ともめてきた。シャーロット王女(8)などのフラワーガールの履くタイツについて、キャサリン妃がロイヤルウエディングに伴うルールを説明してもメーガンさんは無視、キャサリン妃は泣いてしまったという。だが、メ―ガンさんは王室離脱後、オプラ・ウィンフリー氏とのインタビューに「泣いたのは私です」と発言。「将来の皇太子妃を守るため、王室は私を悪者に仕立てた」と説明している。

2023年12月5日、ロンドンのバッキンガム宮殿で行われた外交団員向けのレセプションで来賓と面会するキャサリン妃。翌1月の腹部の手術を経て、3月22日、がんを患っていることを公表した(写真:代表撮影/AFP/アフロ)

■キャサリン妃に強いストレス

 また、ヘンリ―王子は暴露本「スペア」に、「兄ウィリアム皇太子は型にはまった女性を妻に選んだが、自分は心で選んだ」と書いた。まるで、皇太子が愛情のうすい結婚をしたかのように聞こえる言葉に、ウイリアム皇太子もキャサリン妃も傷ついたという。

 2人はキャサリン妃に強いストレスを与えてきたではないか。キャサリン妃は3人の子どもを出産後即日に退院したり、スポーツはラグビ―、テニス、スキーなど万能ぶりを見せたりするなど、40代前半のがん罹患など想像もできない健康体であったはずだ。もちろん、健康体であってもがんに罹患する可能性はあるものの、ヘンリー王子とメーガンさんがかけてきたストレスとがんの罹患は無関係ではないはずと言う声が上がっている。

 イギリスのエクスプレス(オンライン)によると、メーガンさんは最近、ヘンリ―王子はハリウッド・キャリアを積むべきと考え、テレビデビューに備えて演技のレッスンを受けるよう勧めているという。ヘンリー王子はショーの司会を希望していて、ビル・ゲイツやリチャード・ブランソンなどの有名起業家にビジネスプロジェクトについてインタビューしたいと考えていると伝えられている。

 あらゆる可能性を見逃さないメーガンさんは、新ブランド「アメリカン・リビエラ・オーチャード」の正式発表とネットフリックスでの新番組を連動させて相乗効果を狙うつもりだ。ここにはアーチー王子(4)とリリベット王女(2)を初めて登場させる予定もあるという。そんなメ―ガンさんだが、キャサリン妃への謝罪は念頭にないらしい。

 そんなメ―ガンさんだが、王室が深刻な人手不足に陥っているため、自分たちの出す条件のままに「王室は公務復帰を依頼してくる」と固く信じているそうだ。復帰した時には「私は王室の危機を救った」と胸を張るのだろうか。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

*AERAオンライン限定記事