「子どもが自分の性器をいじっている」「親のセックスを見られたら」――。こんなとき、親はどうしたらいいのでしょう。小学生の親たちのQ&Aを、産婦人科医の高橋幸子先生に聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids」からお届けします。
■Q. 友達同士でカンチョーをしてふざけている
「絶対にだめ」と教えましょう。自分のプライベートゾーンだけでなく、人のプライベートゾーンも大切で、だれかが勝手に触ってはいけないこと、おふざけの延長だとしても、相手は傷つくことがあると説明してください。スカートめくりやズボンおろしも、同じ理由でしてはいけないと教えるといいでしょう。
■Q. 自分の性器をいじっている
頭ごなしに否定せず、「性器は自分で触ると気持ちがいいところだよね」と受け止めてください。まだ性的な意味合いはないかもしれません。セルフプレジャー(自慰行為) について説明する場合は、特別な気持ちよさを感じることがあり、悪いことではないこと、ただプライベートなことだから人前ではしないことを伝えましょう。
■Q.アダルトサイトを見た履歴がある
親はショックかもしれませんが、性教育のチャンスです。子どもを責めるのではなく、アダルトサイトの問題点について話しましょう。そうした動画は、主に男性側の「こうだったらいいのに」というファンタジーで作られていて現実とは違うこと、搾取や暴力を含むことがあり、お手本ではないと伝えてください。
■Q.子どもにセックスを見られた
大前提として、子どもに性行為を見せることは虐待にあたりますから、親は十分に注意しましょう。目撃してしまった子どもは、「お父さんがお母さんをいじめている」と表現することがあります。親は、あまりその言葉を深追いしないで、「ふれあいの性」であり、コミュニケーションとしての行為だったことをポジティブに説明できるといいですね。
■Q.男の子の射精や包茎については男性から教えるべき?
男性からのほうが教えやすいのは事実。お父さんからどんなふうに説明するといいか、夫婦で考えてみましょう。でも、必ずしもお父さんをあてにする必要はありません。お父さんがしり込みする家庭やシングルマザー家庭は、親戚のおじさんや年上のいとこ、保健室の先生でもいい。男の子が相談しやすい相手を準備しておくと安心です。
(取材・文/越膳綾子)