3月の大相撲春場所で110年ぶりとなる新入幕優勝を果たした尊富士関(25)=本名石岡弥輝也、五所川原市出身、伊勢ケ浜部屋=の凱旋(がいせん)パレードが1日、同市内2カ所で行われ、約5万5千人が大歓声で地元の英雄を出迎え、快挙を祝った。

 尊富士関は同日午後1時半、所属する部屋の伊勢ケ浜親方と共にオープンカーに乗り、まずは生まれ育った金木町地区でパレード。沿道は人口の3倍ほどの約2万人でごった返した。

 続く、市中心部のパレードでは夏祭りの立佞武多(たちねぷた)も出陣して花を添えた。しこ名入りのタオルや手製のうちわを手にした、沿道の市民から「おめでとう」「これからも頑張って」と声援が送られ、尊富士関も手を振りながら応えていた。

 地元からの手厚い歓迎に、尊富士関は「これだけ大勢の人に祝福してもらえてうれしい」と満面の笑顔。「皆さんの夢や希望になれるよう励み、強くなってまた青森に帰ってきたい」とさらなる躍進を誓った。

 パレードに先立ち、青森県庁では、宮下宗一郎知事から県褒賞が贈られ、五所川原市役所では新設された市民栄誉賞が授与された。

 尊富士は春場所の初日から、元横綱大鵬に並ぶ歴代最多タイとなる新入幕11連勝を達成。14日目に右足を負傷したが、千秋楽で豪ノ山を押し倒して優勝を決めた。殊勲、敢闘、技能の三賞全ても受賞した。