グラファイトデザインのシャフトには、ロングセラーブランド「ツアーAD」と軽さとしなやかさで飛ばす「G」がこだわりゴルファーに人気です。多くのゴルファーが使用する「5S」スペックで、性格も振り心地も異なる3モデルを筒コーチが試打。どんなゴルファーに合うのか解説してもらいました。

5Sなのに「しなやかで軽快」な振り心地「G」aG19-5シャフト

グラファイトデザインのシャフトブランドの中心に位置する「G」シリーズ。今回は5Sで計測と試打を行いましたが、「G」シリーズの「aG19-5シャフト(5S)」は非常にしなやかなモデル。

人気のツアーAD「CQ」「VF」(5S)しなやかさで飛ばす「G」aG19-5(S)の3機種を試打しました
人気のツアーAD「CQ」「VF」(5S)しなやかさで飛ばす「G」aG19-5(S)の3機種を試打しました

 平均的なヘッドスピードの僕でも、トップから切り返しにかけて頑張らなくても十分にシャフトのしなりを感じながらスイングできます。

 シャフト全体の硬さはツアーADの5Sに比べ柔らか目ですが、バラツキを感じずスムーズにスイングできました。

グラファイトデザインのマッピングの中心に位置している「G」シリーズ。「G」aG19-5シャフトは非常にしなやかなで誰でも振り切れる性能
グラファイトデザインのマッピングの中心に位置している「G」シリーズ。「G」aG19-5シャフトは非常にしなやかなで誰でも振り切れる性能

 ドライバーショットでシャフトのしなりを感じられずタイミングが速くなっていたり、クラブの加速を使えず振り切れないゴルファーにはコースですぐに結果が出そうなシャフトでした。

しっかり振れてつかまるハイドローモデル! ツアーAD「CQ」はシャープ

 ツアーADブランドの由来は「方向性(アキュラシー)」と「飛距離(ディスタンス)」の両立。男子プロを中心に長年絶大な信頼を得ているブランドの中でも、「CQ」は「高弾道」かつ「ドロー系」にマッピングされています。

ツアーADの中でも高弾道でドロー系な位置づけの「CQ」は、中元部のしっかり感と先中部のEI剛性差がハッキリしていて飛距離ポテンシャルが高いモデル
ツアーADの中でも高弾道でドロー系な位置づけの「CQ」は、中元部のしっかり感と先中部のEI剛性差がハッキリしていて飛距離ポテンシャルが高いモデル

 実際にスイングするとインパクトゾーンでのヘッド加速を体感できます。

 今回試打した5Sスペックなら、決して硬すぎたり重すぎたりしないので「高くつかまえて飛ばしたい」というゴルファーにはピッタリのシャフトだと感じました。

ツアーAD「VF」は当たり負け皆無の強弾道モデル

 昨年発売された「CQ」とは対照的なマッピングに位置しているのが、情熱的なコスメの「VF」です。

 実際にEI剛性を計測しても、中元部の硬さを抑えることで、切り返し時に「タメ」を感じやすい特性になっていることが分かりますが、先端にかけては非常にハードです。

ツアーAD「VF」は低弾道でややフェード系に位置するモデル。余計なスピンを抑えたショットを求めるゴルファーに合う
ツアーAD「VF」は低弾道でややフェード系に位置するモデル。余計なスピンを抑えたショットを求めるゴルファーに合う

 5Sでも「当たり負けは皆無」といえるほど、インパクト時のブレを抑えたモデルになっていました。

 現代の大型で高MOI(慣性モーメント)のドライバーヘッドとの相性も抜群で、「もっと曲げずに強い弾道を打ちたい」というゴルファーにはバッチリ合うと思います。

 グラファイトデザインのシャフトでは「どれが一番飛ぶの?」、「どれが一番安定してるの?」といった質問を多く受けますが、「自分の傾向」と「求める振り心地」、「打ちたい弾道」をシャフトラインアップの中から正しく選べると、バッチリハマってくれると思います。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。

猿場トール