ゴルフ練習場を訪れると、その場ですぐに受けられる単発のワンポイントレッスンが行われていることがあります。定期的に通うスクールではなく、ワンポイントレッスンでも上達することは可能なのでしょうか。

ワンポイントレッスンでは自分の課題を投げかけてみるべき

 時間を見つけて練習場には通っているものの、独学では限界を感じ始めてスクールに通うことを検討している人も中にはいるかもしれません。

 また、レッスンプロが常駐している練習場では、その場ですぐにできるワンポイントレッスンのサービスを行っているところもあります。定期的に指導を受けられるスクールとは異なってその場限りのものにはなりますが、ワンポイントレッスンでも上達は可能なのでしょうか。

 レッスンプロの村井良行氏は、以下のように話します。

レッスンを受けたあとの反復練習が大事 写真:AC
レッスンを受けたあとの反復練習が大事 写真:AC

「ワンポイントレッスンがきっかけでスイングが改善されたとしても、それを持続させることは難しいでしょう。レッスンは20〜30分ほどの短い時間ですし、アドバイスする内容も限られてしまいます」

「練習内容が身につくまでチェックし続けることができませんし、細かい点まで指導ができないので、1〜2カ所気になる点を教えてその場は終わることが多いですね」

「特にビギナーの場合は、グリップの握り方からハーフスイングでの当て方を体験してもらう程度で時間が終了してしまいます。その後の上達に結びつけるためには、どうしてもスイングを固めるための練習量が必要になるのです」

 また、ワンポイントレッスンを受けに来る人は「練習に行き詰まりを感じたり、調子が悪いから見てほしいと言う方も多い」と村井プロは言います。

「ワンポイントレッスンに来る人のほとんどは、即効性を求めてやってきます。しかし、スクールとは違って時間も限られているので、レッスンをする時間がどうしても足りません。中途半端なレッスンをするとスイングを崩すことにもなるため、必要最低限のアドバイスを提供するだけにとどまってしまいます」

 では、ワンポイントレッスンを上手に活用するにはどのような方法があるのでしょうか。村井プロは次のように話します。

「ざっくりとレッスンを受けるよりも、『気になるポイントがある』と具体的に言ってもらったほうが、こちらもレッスンがしやすくなります。『自分はこう思っているんだけど、どうすればいいか』と的を絞って質問してもらえると、より的確なアドバイスができるからです」

「最初から課題が分かっていれば問題点を探す手間も省けますし、レッスンの時間もムダになりません」

ビギナーはスクールに通ったほうが上達につながる

ビギナーはスクールで基礎からみっちり教えてもらいましょう 写真:AC
ビギナーはスクールで基礎からみっちり教えてもらいましょう 写真:AC

 さらに村井プロは「ワンポイントレッスンの場合、まったくの初心者よりも100を切れるくらいのレベルの人のほうが、レッスンの内容も理解しやすく効果的」と村井プロは言います。

「ビギナーはたった1回のワンポイントレッスンを受けても、教えてもらったそのスイングを自分のものにするのは難しいはずです。加えて、ワンポイントレッスンの場合は練習場や日ごとに指導する人も変わるため、レッスン方法もその都度変わってきてしまいます」

「それならスクールに入って、同じプロからレッスンを受け続けたほうが効率よく上達できるでしょう。その後上達してスコア100が切れるようなレベルになれば、理論も練習方法もある程度理解できるので、アドバイスの内容も自分の中に落とし込めるようになります。レッスンを受けた後も自分の練習に生かせるのではないでしょうか」

 ゴルフを始めたからには「もっとうまくなりたい!」と誰もが思うはずですが、レッスンを受けただけで上達することはほぼありえません。ワンポイントレッスンでは即効性を求めるのではなく、改善のヒントをもらう場であることを理解し、その後の練習に役立てていく心構えが上達につながると言えそうです。

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