ラウンド前やラウンド中の小腹が空いたとき用にコンビニのおにぎりなど、外から飲食物を持参する人は少なくないはず。ですが、飲食物をゴルフ場に持ち込むことは正式に認められているのでしょうか?

持ち込みが禁止なのは食中毒の原因が特定しにくいから

 ゴルフ場に向かう道中にコンビニに立ち寄り、おにぎりやスポーツドリンクを購入し、ゴルフ場に持ち込む人は少なくないでしょう。しかし、ゴルフ場はレストランを併設し、飲食物を提供する施設でもあります。“持ち込み”は正式に認められているのでしょうか。

おにぎりはゴルフ場に持ち込んでいいの? 写真:AC
おにぎりはゴルフ場に持ち込んでいいの? 写真:AC

 全国でゴルフ場を運営する、株式会社東急リゾーツ&ステイの広報担当者は「弊社のゴルフ場では飴などのお菓子を除く飲食物の持ち込みはご遠慮いただいております。ですが、中にはあからさまにコンビニのレジ袋を持って歩いたり、持ち込んだ軽食をロビーで食べ始めたりされるお客様も時々見受けられます。その際には適宜お声掛けをして、ご理解とご協力をお願いしています」と説明します。

 ゴルフ場が飲食物の持ち込みを禁止するのにはどのような背景があるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)に理由を聞きました。

「ゴルフ場は遊園地と同じ『娯楽施設』に該当します。テーマパークなどでは基本的に飲食物の持ち込みを禁止している場合が多いですが、実はゴルフ場でも認めていない施設が多いです」

「レストランの売上もゴルフ場の大事な収入源であることは言わずもがなですが、それよりも衛生面で対処しきれないことが大きな理由だと思います。仮にゴルフ場内で食中毒が発生した場合、外部からの持ち込みを許可すると原因の特定が難しくなってしまいます」

「例外としてアルコール類の持ち込みが認められていることはあります。コンペの後のパーティーで、高価なワインやウイスキーなどを振舞いたいという需要はそれなりにあります。持ち込み料として数千円程度かかるのが一般的ですが、これも事前にゴルフ場に問い合わせるのが無難でしょう」

ソフトドリンクは持ち込みルールが緩和傾向

 ただ、ソフトドリンクに関しては外部からの持ち込みルールが緩和傾向にあるといいます。

「近年の夏は気温が35度を超える日が珍しくなく、ゴルフは長時間屋外でプレーしますので、熱中症などのリスクが年々高まっています。そのため、水筒やタンブラーにお茶やスポーツドリンクを入れて携帯したいというニーズが非常に増えました」

「今はレストランなどに水筒用の氷や水を無料で用意しているコースも多くなっています。本来であれば、水筒の中の飲み物は場内で購入してほしいというのがゴルフ場の本音ですが、都度指摘するのもきりがないこともあり、容認しているのが現状でしょう」

 前出・東急リゾーツ&ステイ広報担当者も「飲み物に関しては、水筒を持参されるお客様は大変多いです。それは特に規制するといったことはしておりません」といいます。

 水筒のゴルフ場への持ち込みは今後ますます一般化していくかもしれません。一方でゴルフ場によっては、コンビニの袋を下げて歩いたり、飲食物を持ち込んだりする行為が、マナー違反になるということも覚えておきましょう。

ピーコックブルー