JLPGAツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」は2日目を終え、通算8アンダーで上田桃子(うえだ・ももこ)、阿部未悠(あべ・みゆう)、佐久間朱莉(さくま・しゅり)の3人が首位を並走している。

「テレビで見てた人と回って勝てたら自信になりますから」

◆国内女子プロゴルフ<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 4月5〜7日 石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県) 6535ヤード・パー72>

 21人が5ストローク以内にひしめく大激戦がフィナーレを迎える。

通算8アンダーで首位に並ぶ(左から)佐久間朱莉、上田桃子、阿部未悠 写真:GettyImages
通算8アンダーで首位に並ぶ(左から)佐久間朱莉、上田桃子、阿部未悠 写真:GettyImages

 JLPGAツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」2日目は、通算8アンダーで上田桃子、阿部未悠、佐久間朱莉の3人が首位を並走。1打差で藤田さいき、蛭田みな美、イ・ミニョンが追う展開となっている。

 ツアー通算16勝の上田に対し、初優勝を狙う阿部と佐久間。佐久間は「最終組で回りたいと思っていました。17番が取れなかったので18番で」と、最後に1メートルを沈めるバーディーで追いついた。「最終組、というよりも上田桃子さんと最終組で回りたい。子供のころからテレビで見てた人と回って勝てたら自信になりますから」と、大先輩をバリバリに意識して勝ちにいこうとしている。

 21歳の佐久間が叩きつけたそんな挑戦状を、37歳の上田は飄々と聞き流す。

「うれしいです。でも、上でも下でも年齢とか関係ない。強い選手が残っていくんです。今の(若い)選手たちは自分がよかった時期を見てるので、そう言われることが多いんですけど、この世界は本当に年齢関係ない」と言い切った。

 若手に胸を貸すというのではなく、同じ土俵で戦う者同士、という気持ちがそこにはある。だから、若手のプレーをエネルギーに換えることも多い。「昨日も(一緒にプレーした山下)美夢有ちゃんとか(岩井)千怜ちゃんとかを見て、今の子はホントにしっかり打つんだな、アグレッシブだなと思って、見ててワクワクした」と、刺激を自分のプレーに生かしている。

「混戦ですけど、自分のゴルフに集中する。いい位置なのでワクワクしてます」と、2022年の今大会以来、2年ぶりの勝利に向けてどっしりと自然体で構えている。

 もう一人、最終組でプレーする阿部も自分のプレーを貫こうとしている。

「最終日、最終組は何度か経験していますけど、今日みたいな自分のイメージ通りの流れのいいゴルフができればいいな」と、5バーディー、ノーボギーでプレーしたこの日を振り返りながら言う。こちらも初優勝を狙う23歳。敵は最終組だけでない大激戦の中、最後に笑うのは誰か。目が離せない。

小川淳子(ゴルフジャーナリスト)