JLPGAツアーの第6戦「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」は阿部未悠(あべ・みゆう)の初優勝で幕を閉じた。首位タイから出た上田桃子(うえだ・ももこ)は9位タイ、1打差から追った蛭田みな美(ひるた・みなみ)は3位タイで終え悔しさを口にした。

ノーバーディーの上田桃子「流れをつかめなかった」

◆国内女子プロゴルフ<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 4月5〜7日 石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県) 6535ヤード・パー72>

「スタートで(バーディーを)獲れなかったところが流れをつかめなかった理由の一つ」と上田桃子が悔しさをにじませた。

スコアを落とし9位タイに終わった上田桃子 写真:GettyImages
スコアを落とし9位タイに終わった上田桃子 写真:GettyImages

「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」最終日。ツアー通算17勝目を狙って8アンダー首位タイからスタートした37歳だったが、波に乗れなかった。

 同じ最終組の佐久間朱莉、阿部未悠らがスコアを伸ばす中、カップにも嫌われ優勝争いから脱落。スコアを2つ落としてトップと9打差の9位タイに終わった。

 目の前で繰り広げられた佐久間と阿部の熱戦を「2人ともパターがよくなってきた。朱莉ちゃん1人が行くのかと思ったら途中から未悠ちゃんも追いついて、2人ともいいゴルフしてました」と振り返り、「その分、自分のフィーリングがよくないように感じちゃって、流れをつかめませんでした」と唇をかんだ。

「精神的に気負いもなく臨めたんですけど、リラックスしようとしすぎちゃったかな。もうちょっとエキサイトできるようにしてもよかったかな。難しいですね。今日の(優勝争いした)2人みたいに淡々とプレーするのが一番いいのかな」

 勝利数が多い者はそれだけ敗戦の悔しさも知っている。百戦錬磨の上田もまた、次の戦いに向けての糧をこの日の敗戦で得たようだ。

蛭田みな美は5バーディーも「最後のほうが決めきれなかった」

 1打差でスタートした蛭田みな美は12番までに5つのバーディーを奪い、後続の最終組にプレッシャーをかけ続けた。一時は首位に並んだが、そこで勢いが止まってしまった。「ノーボギーは評価できるところですけど、最後のほうが決めきれなかったです」と、通算12アンダー3位タイに終わった。

 昨年8月の「CAT Ladies」(大箱根CC)で初優勝を飾り、今季は2勝目、さらに“その先”を目指しているが、気負いは感じられない。「ケガなく頑張れればいいかなと思っています」と笑う。

 先週の「ヤマハレディースオープン葛城」こそ予選落ちしたが、その前の「アクサレディス in 宮崎」では4位に入っており、まずまず思うようなプレーができているのが大きい。

 優勝争いに臨む前日も「状況を見ながら『これはしょうがないかな』と思うようになりました」と、経験から冷静なゴルフができるようになったことを口にしており、マイペースにプレーしながら2勝目を狙っていく。

上田桃子(うえだ・ももこ)

1986年6月15日生まれ、熊本県出身。2005年プロ入り。07年にミズノクラシックなど年間4勝を挙げ、翌年から米ツアーに挑戦。21年6月に入籍。22年の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」優勝がミセスでの初勝利となった。ZOZO所属。

蛭田みな美(ひるた・みなみ)

1997年7月15日生まれ、福島県出身。2016年プロテスト合格。学法石川高校時代の14年に女子アマチュアゴルフ最高のタイトルである日本女子アマ選手権を制覇。プロでも活躍が期待されたが、22年までシード権には手が届かず。肉体とパッティングの改造をして臨んだ23年シーズン、CAT Ladiesで初優勝を果たす。ユアサ商事所属。

小川淳子(ゴルフジャーナリスト)