「KKT杯バンテリンレディスオープン」最終日、3位タイから出た竹田麗央(たけだ・りお)が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算7アンダーで優勝した。ツアー初勝利を地元の熊本で飾り、喜びもひとしおだ。

叔母の平瀬真由美に「早く追いつけるように」

◆国内女子プロゴルフ<KKT杯バンテリンレディスオープン 4月12〜14日 熊本空港カントリークラブ(熊本県) 6518ヤード・パー72>

 地元・熊本開催の「KKT杯バンテリンレディスオープン」で悲願の初優勝を手にした21歳の竹田麗央。最終日は3位タイから出て、3番でボギーが先行するも、4番ですぐさまバウンスバック。6番、11番でスコアを伸ばし、7アンダーで首位の岩井明愛に並んだ。その後、岩井がスコアを落とし、そのまま竹田が逃げ切った。

今季4度目の最終日最終組でついに初優勝を手にした竹田麗央 写真:GettyImages
今季4度目の最終日最終組でついに初優勝を手にした竹田麗央 写真:GettyImages

「8年前の(地震)ことは今もすごく覚えています。熊本のみなさんの前で初優勝を挙げることができて、すごくうれしいです」と、地元・熊本でツアー初優勝できたことに特別な思いを口にした。

 今季は開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」で予選落ちしたが、その後は5戦中4戦でトップ10入り。「ヤマハレディースオープン葛城」では小祝さくらに1打及ばず2位と悔し涙を流したが、今大会は流れを切らさず勝ち切った。

「いつも初優勝したいという気持ちが強すぎて、思ったようなプレーができない感じが多かった。今日は何も意識せずに特に考えることもなくプレーしようと決めた。力が入らずそれが良かったと思います」

 最終日の朝、昨季で引退したイ・ボミからもらったメッセージに背中を押されたことも明かした。

「(イ・ボミさんから)『自分を信じて』というメッセージが来たので、それだけを考えてプレーしました。誕生日の時におめでとうというメッセージが来たことはあるのですが、ゴルフのことで来たのは初めてだったのでビックリしました。いつもこの大会で私はギャラリーとしてついていっていたので、すごく憧れの存在です」

 オフはショートゲームを中心に練習し、実戦でその成果を確認することも自信につながった。

「アプローチもそうですが、パターも同じくらい練習した」と話す。「グリーンを外れるとすぐにボギーになっていましたが、今はパーを拾えるようになって自信もある。そこは変わったと思います」。

 ドライビングディスタンスはツアー3位。プロデビュー前からパワーヒッターであることは知られていたが、それ以上に叔母が1993、94年の賞金女王でもある平瀬真由美であることに注目が集まった。母・哲子(さとこ)さんもプロゴルファーという家系だ。

 ゴルフ一家で育った竹田にとっても優勝は悲願だったが、プロ3年目、21歳での1勝は上出来だ。「自分はまだまだ。早く(平瀬真由美さんに)追いつけるように頑張りたい」と、頂点に立つ日を夢見ている。

竹田 麗央(たけだ・りお)

2003年4月2日生まれ、熊本県出身。21年プロテスト合格で同期には櫻井心那、川崎春花、神谷そらなどがいる。母親はツアープロの平瀬哲子、叔母は元賞金女王の平瀬真由美という超サラブレッド家系。23年「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初優勝を遂げる。ヤマエグループHD所属。

e!Golf編集部