ベテランゴルファーなら「HIRO MATSUMOTO(ヒロマツモト)」というパターブランドを聞いたことがあると思います。実は今、大手百貨店や専門ショップを中心に人気が復活しているそうです。そこで、かつて世界のトッププロが愛用した「ヒロマツモト」カスタムパターをフィッティングしてもらいコースで試してみました。
計測器では表せない「フィーリング」も自分仕様に調整してくれる
ゴルフ歴20年以上のベテランゴルファーなら、世界のトッププロにこぞって愛用されたハンドメイドパターブランド「HIRO MATSUMOTO(ヒロマツモト)」の名前を知っている人も多いでしょう。
1980年全米オープンの優勝争いで青木功プロが使用、その後も代表モデル「HM-07」など世界中のゴルファーを魅了したジャパンブランド「ヒロマツモト」ですが、現在大手百貨店や専門ショップで人気復活の狼煙を上げ始めています。
ブランド創始者である松本宏幸氏のDNAを受け継ぐ松本浩二氏自ら「ヒロマツモト」パター販売会の現場に赴き、ゴルファーのクセと好みを見ながら「ミリ単位以下」の調整を行ってエースパターに仕上げるそうです。
計測器でも表せない「ミリ単位以下」の調整技術は、プロの要望に応えるツアーサービスのクラフトマンも一目置くほど。今回、競技ゴルファーのアマチュアにカスタムオーダーパター「CMT-303」をフィッティングしてもらいコース実践してもらいました。
現代に蘇ったステンレス削り出しパター「CMT-303」は入る芸術品
松本浩二氏は長年、世界中のトッププロのパター調整を「ミリ単位以下」で行なってきた経験から、「入るパター」にするためには計測器では表示できない好みやクセがあることを肌で味わってきたそうです。
ブレード型のクランクネック一つ取っても、「グースに感じないように」といったプロからの要望は日常茶飯事。ネック自体にオフセットはあっても、構えた時には「ストレートに感じるフェース面」のパターは非常に操作性が高く上級者ほど長く愛用してくれるそうです。
現代に蘇った「ヒロマツモト」の「CMT-303」パターは、303ステンレスの削り出しヘッドをベースに、「フェースミーリング」「サイトライン」「ソール彫刻」「ヘッド仕上げ(フィニッシュ)」やカラフルなイオミック製オリジナルグリップ、ヘッドカバーが選べる「超ワガママ」なカスタムパターです。
ロフトやライ角などはもちろん、ネックやシャフトの入り方など「ミリ単位以下」の調整をゴルファーが納得するまで松本氏が行なってくれます。
かつて数多くのパターブランドのプロトタイプも手がけた「ヒロマツモト」ハンドメイド技術が注入されたパターは本当に美しいシルエットです。
練習グリーンで「タッチの良し悪し」がすぐに分かる
「型なし」といわれるほど、ストロークスタイルやタッチを出すイメージ、グリップの握り方などが個々で異なるパッティング。
パター選びも同様で、ブレード型ヘッドの中でもフェースの向きやシルエットなど、細かい部分でゴルファーの好みは違います。徹底的に自分好みにカスタマイズされたパターなら、練習グリーンで打った時から「タッチの良し悪しが分かる」と購入者はコメントしていました。
コースでも最初の数ホールこそカップの横をすり抜けるパットが多かったものの、中盤以降は「イメージどおり」にボールが転がっていました。
課題だったというミドルパットも何度か沈め、たった1ラウンドで「少し調整すればエースかも」といわせるほどでした。松本氏にテストラウンドのコメントを伝えると「もう一度、ラウンド時の使い心地をヒアリングしながら調整しましょう」と返答、調整後はすぐにエースパターに昇格してしまいました。
スコッティ・キャメロンをはじめ、「プロ御用達パターブランド」が登場する以前に支持を得ていたジャパンブランド「ヒロマツモト」の「CMT-303」カスタムパター、ブレードパター愛用者なら一度は手に取って欲しい逸品だと感じました。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
猿場トール