ゴルフの実力を示す指標のひとつに「シングルゴルファー」という言葉が存在します。具体的にどのくらいの実力を指すのでしょうか?

だいだい平均スコア85以下で回ると「シングル」になれる

 一般的にゴルフを始めたばかりのビギナーは、まず100を切ることを目標に練習やラウンドをこなしていく人が多いです。アマチュア全体で100を切るゴルファーは3割ほどといわれており、“100切り”はゴルファーの間で一種の基準のようになっています。

ビギナーの憧れ、シングルゴルファー 画像:AC
ビギナーの憧れ、シングルゴルファー 画像:AC

 100を切ったゴルファーの中には、さらに90切りを目指して頑張る人もいます。90を切れるようになると、その上の「シングルゴルファー」という大きな目標が現れてきます。「あの人はシングルだからすごく上手だよ」といった会話を聞いたことがある人もいるでしょう。

 では、具体的にシングルゴルファーとは、どの程度のスコアで回る人を指すのでしょうか? レッスンプロの三浦辰施氏は以下のように話します。

「ゴルフ場の会員権を持っている人であれば、月例杯のクラス分けなど倶楽部内の競技でハンディキャップと呼ばれる数値が用いられます。ハンディキャップの数字が一桁(9以下)のゴルファーをシングル(single figure handicapper)と呼んでおり、数字が小さいほど実力が高いゴルファーということになります」

「ハンディキャップには大きく分けて『オフィシャルハンディキャップ』と『プライベートハンディキャップ』の2種類が存在します。前者は全世界共通の『ワールドハンディキャップシステム』に基づくもので、ゴルファー自身の実力を示す指標になっています。一方、後者は仲間内や会社のコンペ等で楽しむために使用されるもので運の要素もあり、実力問わずゴルフを楽しめる仕組みになっています」

「ほかにもハンディキャップが0のゴルファーを『スクラッチゴルファー』、ハンディキャップが15〜20ぐらい、平均スコアにして90〜100のゴルファーを『アベレージゴルファー』と呼ぶことが多いです」

シングルゴルファーは決して高すぎる目標ではない

 ゴルファーのなかには平均スコアから72を引いた数がハンディキャップだと勘違いしている人もいますが、算出する際には「ストロークコントロール」などの調整が行われています。そのため三浦氏はシングルゴルファーの実力を誤って認識している人も多いと話します。

「ハンデ9のゴルファーの実力は、72+9でスコア81ぐらいで回る人と思われがちですが、平均的な実力でいえばスコア85前後、90打たないぐらいの実力と考えるのが妥当だと思います。シングルと聞くと雲の上の存在のように感じるかもしれませんが、このように表現してあげると決して不可能な数字ではないと理解できますよね」

「基本的に18ホールすべてをボギーで回ることができればスコア90なので、そこからさらに何ホールかパーをとることができれば、シングルゴルファーに近づいているといえそうです」  さらに三浦氏は「真剣にゴルフに取り組めば、どんなアマチュアでもハンディキャップ9ぐらいであれば目指すことが可能」「さすがにハンディキャップ4や5ぐらいになると、もう一段階レベルが変わるのでセンスが必要になってくるかもしれない」と話します。

 ハードルが高いように感じられるオフィシャルハンディキャップ(発行される数値はハンディキャップインデックス)ですが、最近はゴルフ場の会員にならなくても、JGA(日本ゴルフ協会)の個人会員になったり、ゴルフ場予約サイトのサービスとして発行している場合もあります。3ラウンド分のスコアカード提出から取得できるので、検討してみてはいかがでしょうか。

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