スコアメイクのカギを握るのはアプローチ。ティーショットとセカンドショットがうまくいって順調にグリーン近くに来たとしても、アプローチから何打も費やしてしまっては、スコアはまとまりません。ツアープロの岸部桃子を姉に持つ、ティーチングプロの岸部華子にアプローチを教えてもらいました。今回のテーマは「ダフり対策」です。

右腕を短く使うとダフらない

 ラウンド中、大事なアプローチショットの場面で突然ダフってしまった、そんな経験があるゴルファーは多いのではないでしょうか。ダフりの主な原因は、スイング中に右腕が伸びてしまうこと。スイングの最下点が手前になり、ヘッドがボールに当たる前に落ちてしまうのです。

スイング中に右腕が伸びるとダフってしまう。ワキを締めて右ヒジを曲げたままスイングする
スイング中に右腕が伸びるとダフってしまう。ワキを締めて右ヒジを曲げたままスイングする

 ダフりの防止策は、右腕を短く使うことです。ワキを軽く締めて右ヒジを曲げて構えたら、バックスイング、ダウンスイングでもヒジは曲げたままです。右手で打ちにいくと右ヒジが伸びてしまうので、体の回転でスイングすることを心がけましょう。

「右ヒジがどうしても伸びてしまう」という人は、右足体重で振っている可能性があります。右足に体重が残っていると、腕を曲げたままではヘッドがボールに届かないため、右腕を伸ばして合わせにいってしまうのです。

インパクトの体重配分は左足9:右足1

 理想の体重配分は、アドレスでは左足6:右足4くらい。バックスイングで体を右に回すと、自然と右足側にやや多めに体重が乗りますが、切り返しからインパクトにかけて、しっかり左足側に体重を乗せていくことが大切です。

アプローチの基本は左足体重。左足6:右足4の配分でアドレスし、インパクトでは9:1、フィニッシュは10:0が理想
アプローチの基本は左足体重。左足6:右足4の配分でアドレスし、インパクトでは9:1、フィニッシュは10:0が理想

 インパクトでは、左足9:右足1の割合。そして、左足10:右足0でフィニッシュをとりましょう。フィニッシュの後に、右足を浮かせて左足1本で立てていれば、左足体重でスイングできたことになります。

 ダフりグセがある人は、右手1本でアプローチ練習をしておくといいでしょう。左手を右ヒジに添え、右手1本でボールを打ってみましょう。右腕が伸びるとキレイにボールを打てません。ヒジを曲げたまま、体を回してスイングする感覚を養ってください。

取材協力・CLUB HOUSE(千葉県千葉市)

【指導】岸部華子(きしべ・はなこ)

1995年生まれ、福島県出身。父親の影響で6歳からゴルフをスタート。当時からツアープロの姉・桃子とともに練習に励み、07年に『東北ジュニアゴルフ選手権 女子11歳以下の部』で優勝するなど活躍。中学時代は陸上部に所属していたが、東日本国際大学付属昌平高校でゴルフ部に入部。卒業後は、21年にLPGAティーチングA級を取得。現在は、ジュニア時代から師事していた横田英治が主宰する『クラブハウス』に所属。インストラクターとして活動しながら、姉のツアーキャディも務める。

小澤裕介