ビギナーの場合はショットが安定しないので、正確な距離を把握しても狙い通りに打てるとは限りません。ミスの多いビギナーであっても、残り距離は正確に把握しておくべきなのでしょうか。

狙い通りに打てなくても必ず距離計測器は使う

 昨今では、1万円以下でも購入できる距離測定器が続々と登場しており、アマチュアも使用する人が増えています。ヤード杭やカートナビと比べて、その場で正確な残り距離を把握できることがメリットです。

練習場とラウンドではボールの飛び方違うので距離感を養う必要がある 写真:Shutterstock
練習場とラウンドではボールの飛び方違うので距離感を養う必要がある 写真:Shutterstock

 ショットを正確に打てる上級者にとっては便利なアイテムですが、狙った通りに打てることが少ないビギナーには、必要なのでしょうか。

 レッスンプロの山本昌夫氏は以下のように話します。

「狙い通りに打てなかったとしても必ず距離は確認したほうが上達しやすいです。例えば、練習場に比べてラウンドのほうがボールは飛びやすいので、どのくらい距離に差がでるのか把握することができます」

「『練習場では7番アイアンで130ヤードくらいしか飛ばないのに、ラウンドではジャストミートしなくても同じくらい飛ぶ』など、今後上達していくうえで必要なラウンドの距離感は、ある程度正確に把握して打たないと身についていきません。短期的な目線では成果が出ないかもしれませんが、長期的にゴルフを続けていくのであれば確認したほうが良いでしょう」

 もし距離を把握してショットを行い届かなかった場合は、番手を上げるなど対策できます。

失敗を前提とした番手選びはしない

 また山本氏は、「残り距離に合わせた最適な番手を選ぶことが重要である」と話します。

ミスを前提に大きい番手で打つと飛距離の出ないスイングが身についてしまう 写真:AC
ミスを前提に大きい番手で打つと飛距離の出ないスイングが身についてしまう 写真:AC

「残り距離を把握することに加えて、気をつけたいのは『失敗を前提にゴルフをしない』ことです。どうせミスショットをして飛ばないからといって、はなから1番手大きいクラブを選択するのは良くないです。『100ヤードはいつもピッチングだけど、ダフるから9番アイアンで打とう』とプレーをしていると、9番アイアンで100ヤードしか打てない人になります」

「ビギナーが大きい番手で短い距離を打つと、インパクトで力を抜くクセが付いてしまうので、全体的に飛距離が落ちてしまいます。プロであっても、飛距離を出すために思いっきり振る練習をするので、特別なシチュエーションでない限りは残り距離とぴったりの番手で力強く振ったほうが上達します」

 上級者は、ボールを打ち分ける技術があるため同じ番手でも距離をコントロールすることが可能です。しかしビギナーのうちから、ミスを前提にあえて大きい番手で打っていると、ヘッドスピードが遅く飛距離の出ないスイングが身についてしまう可能性があります。

 フォローやアゲインストなど外的要因により飛距離が変わる場合は、番手を替える必要がありますが、無風で比較的平坦な場所からのショットであれば、残り距離に合った番手を選びます。

 ミスショットばかりなのに距離測定器を使用していると、「ヘタなのに意味ない」と同伴者から揶揄されるかもしれませんが、スロープレーにならなければ問題ないので、正確な距離を把握したうえで打ったほうが良いでしょう。

ピーコックブルー