真剣に素振りの練習をしたことがあるゴルファーは意外と少ないかもしれません。練習場でボールを打たず素振り主体の練習をしていると注意されるのでしょうか?

素振りは効果的だけれど混雑時は常識の範囲内で行う

 ゴルフの練習といえば、「練習場でボールを打つ」ことをほとんどの人はイメージします。しかし野球や剣道のように素振りをすることも、安定したスイングを確立するためには必要不可欠です。

練習場が混雑しているときは素振りばかりするのは避ける 写真:AC
練習場が混雑しているときは素振りばかりするのは避ける 写真:AC

 ただ自宅に素振りができるようなスペースがある人は少数だと思うので、「いわれてみれば、真剣に素振りの練習なんてしたことない」という人も多いかもしれません。

 練習場でボールを打ちながら素振りをするのが効率的ですが、ボールをあまり打たず素振り主体の練習をしていると練習場側から注意を受ける可能性はあるのでしょうか。東京都世田谷区の千歳ゴルフセンター代表で全日本ゴルフ練習場連盟会長を務める横山雅也氏は以下のように話します。

「練習場が混雑していて打席が空くのを待っている人が大勢いる場合は、なるべく素振りばかりするのは避けていただきたいです。常識の範囲内で素振りを数回して打つのであれば全く問題ありませんが、素振りばかりして全くボールを打たなかったり、イスに座って何十分も携帯を触っていたりすることはやめていただきたいです」

「とはいえ、ビギナーの場合はただやみくもにボールを打てば上達するわけではないので、素振りを挟みながら1球1球丁寧に打つのが大切だと思います」

「あくまでゴルフ場が混雑している状況の話しであり、空いているのであれば多少素振りを多めにしても問題ありません」

 ボール貸しの練習場は打席料金を支払っているので、システム的には何時間でも滞在することができますが、混雑時に素振りばかりする行為はマナー違反となります。しかし素振りはゴルフを上達させる重要な練習メニューになるので、常識の範囲内で取り入れていくのが良さそうです。

2〜3回素振りをしてボールを打つことがベスト

 では練習場で素振りとボールを打つ練習、両方を取り入れる場合、どのような割合で行うのが良いのでしょうか。レッスンプロの山本昌夫氏は以下のように話します。

素振りはボールを打つスイングと同じ力で行う 写真:AC
素振りはボールを打つスイングと同じ力で行う 写真:AC

「2〜3回素振りをしてボールを1球打つのがベストだと思います。素振りはスイングのリズムを作ることに加え、フォームを確認するために行います。ただ、多くのアマチュアは素振りのやり方を間違っています」

「『軽く数回振って、ボールを打つときにマン振り』するのではなく、実際に今からボールを打つ気持ちで素振りをしなければ意味がありません。素振りは実際にボールを打つ前の予行演習なので本番と同じように振ります。ハーフスイングでアプローチするのであれば、同じ力で素振りも行います。正しい素振りをするとショットの再現性は格段に上がるので取り入れてみると良いでしょう」

 よりラウンドに近い実践的な練習をするのであれば、普段のルーティンと同じように打つのも効果的です。「必ず2回素振りをしてからショットをする」など決めておくと、ラウンドでも同じリズムで打つことができます。

 ゴルフはやみくもにボールを打っても上達しないところが難しい部分でもあります。どれだけボールを打ったかではなく、どのように練習をすれば短時間で効率的に上達できるのかを考えることも大切です。「ボールをたくさん打って練習した気になっていた……」と感じた人は、素振りを練習メニューに取り入れてみると良いでしょう。

e!Golf編集部