手紙の内容は「銕三郎に愛情を降り注いで演じ切った染五郎は頼もしかった」

 歌舞伎俳優の市川染五郎が20日、都内で行われた映画『鬼平犯科帳 血闘』公開御礼舞台あいさつに、中島瑠菜、阿佐辰美、菊池日菜子と共に出席した。

 本作は、原作者の故・池波正太郎さんの生誕100周年を記念したプロジェクトとして、十代目松本幸四郎を主演に迎えた『鬼平犯科帳』シリーズの劇場版。5月10日に全国公開を迎えると、初週の週末映画動員ランキングで邦画の実写ではナンバー1となる4位にランクインしていた。

 劇中、若かりし頃の鬼平である長谷川銕三郎を演じた染五郎。この日は父である幸四郎から手紙が寄せられた。手紙には「銕三郎に愛情を降り注いで演じ切った染五郎は頼もしかった」と一言。

 染五郎は「もうちょっと書いて欲しかったですね」と発言し会場を笑わせると「(ドラマである)『本所・桜屋敷』も、(中村)吉右衛門おじさんがやっていた『鬼平』シリーズでも、ここまで銕三郎にフォーカスした話はありませんでした。前例があまりなかったので、不安はあったのですが、この作品は父が主役だったので、父の挑戦に参加させていただいたというスタンスで、主役の力になればと思って演じました」と胸の内を明かしていた。

 また染五郎は、本作について「いつの時代にも共感してもらえる人と人との間に起こる人間ドラマが描かれています」と語ると「照明や風景が時代劇には大事になりますが、日本人ならではの美的感覚が詰まった作品です」とアピール。さらに染五郎は「職人の皆さんが集まってくださった結晶のような映画です。そこはどの年齢にも響くと思います。歌舞伎もそうですが、時代劇も最初は難しいイメージがあると思いますが、まずは観てほしい」と力強く語っていた。ENCOUNT編集部