吉田由美がBMW i5 M60 xドライブに乗って思わず叫んだ本音がこれ!「スポーツ・ブーストというスパイスは、さらにi5を魅力的する!」
「スポーツ・ブーストが魅力」吉田由美
キター! 本日ラストはトータル最高出力601馬力、トータル最大トルク795Nm。BMW i5のトップモデル、i5登場!
日本にはプラグイン・ハイブリッド以外、ガソリン、ディーゼル、BEVが導入。
自分では見ることができませんが、BMWのアイコン、キドニーグリルが光り、暗くなってもグリルとヘッドライトが圧倒的な存在感をアピール。M専用のカーボン・リヤ・スポイラーも見た目は控えめながら効果は絶大のよう。残念ながら私はその違いが判りませんでしたが。
とはいえ、しなやかな足まわりとレスポンスの良い操縦性、安定した走行性能は、四輪接地技術のインテグレーテッド・アダプティブ・ステアリングやアダプティブ・サスペンションなどのお陰。
また、10秒間のスポーツ・ブーストが、i5をキャラ変させ、0-100km/hを3.8秒、最高速230km/hにパワーアップ。スポーツ・ブーストは10からカウントダウン形式で何度でも使用可能ですが、電池の減りは速そうなので、ここぞという時の隠し味に。スポーツ・ブーストというスパイスは、さらにi5を魅力的にします。
「ドライバーが中心のクルマ」田中誠司
半年ほど前、BMW i7 M60 xドライブを試乗する機会があった。巨大な体躯、強力かつ静粛極まるパワートレイン、自動開閉式のドアをはじめとする豪華絢爛の装備群には完全に圧倒された。
しかし車内外騒音の遮断性があまりにも高いせいかスピード感覚がつかみにくく、適切なタイミングでステアリングを切れなくて難儀したり、車体の重さが気になるシーンを何度か経験し、自分の中の“BMW像”とは小さくないズレを意識させられたものだ。
i5 M60 xドライブは、あと200万円足せばi7 M60が入手できる1548万円の高額車。満艦飾の装備や広大な空間という点ではi7に譲るが、いざ走らせてみればその足まわりは前後アクスルへの電子制御スタビライザー採用などにより精緻さを極め、442kWというシステム出力を寸分も持て余すことがない。「おもてなしするクルマ」であるi7に対し、i5は「ドライバーが中心のクルマ」に仕立てられている。
エグゼクティブを相手とするクルマなら、こうしてヴィジョンやターゲットを明白にしておかなければ選ばれない、というBMWの主張と危機感が見えた。
写真=小林俊樹(メイン)/郡 大二郎(サブ)
(ENGINE2024年4月号)