花粉症のつらさは、症状のない人に伝わりにくいもの。わが家の姑も花粉症の苦しみを理解できませんでしたが、あるとき姑の身に思いもよらない事態が起こります。今回は、花粉症を理解できない姑の困った行動と、彼女の態度が変わった驚愕の出来事についてお話しします。

花粉症の苦しみを知らない姑

 夫の実家は、わが家から車で約20分の場所にあります。
 小学生の息子は、3カ月に1度の頻度でいとこが実家に泊りがけで来るとき、一緒に泊まっていました。私と夫は自宅に戻り、息子だけ実家に残していく形です。姑は
 「孫たちと過ごせて嬉しい!」と言ってくれたので、安心して任せていました。

 姑は気の利く優しい人。旅行へ行くとお土産をたくさん買ってきてくれたり、誕生日プレゼントを贈るとそれ以上のお返しをくれたり、気を遣いすぎるくらいの人です。息子は「おばあちゃん大好き」と懐いていますし、もちろん私も姑に感謝していました。

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 しかし、気が利くからこそ姑の困った行動が。
 花粉症シーズンが始まると、私は鼻水と目のかゆみが止まりません。薬を服用しても、症状は年々悪化しています。家族の中で重度の花粉症は私だけ。私と一緒に暮らしている夫や息子は、ティッシュを1日1箱消費する花粉症の苦しさを知っているのですが、別居の姑は理解しづらいのでしょう。

 去年3月初旬の花粉シーズン真っ只中、息子が夫の実家に泊まることになりました。私は姑に、
 「息子の洗濯物は洗わなくていいのでそのまま持たせてください」と伝えました。
 姑は洗濯物を外干しするので、取り込んだ衣服には花粉がたっぷり付いているのです。外干しの洗濯物は、花粉症持ちにとって劇物そのもの。洗濯物に触れようものなら自分の鼻水で溺れそうになります。

 お泊りの翌日、息子を実家へ迎えに行き、ベランダを見て絶望しました。物干し竿には息子の服が揺れています…。

気遣いがお節介

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 「洗濯くらい遠慮しないでね」と笑う姑は、「嫁が遠慮して洗濯しなくていいと言った」と思っているのでしょう。そうじゃないのに〜! 私は叫びたくなるのをこらえ、
 「ありがとうございます…」と告げました。姑は気遣いで洗濯してくれたのですから、今後のためにも厚意をむげに扱えません。花粉をたっぷり浴びた洗濯物は、受け取るだけで鼻がむずむずしました。

 私は花粉症のつらさを姑に伝えるため、何もしなかったわけではありません。シーズン直前には
 「そろそろ花粉症が始まるので洗濯は全部乾燥機で乾かすんですよ〜」と、花粉症アピールしていました。姑は
 「花粉症ってつらいって聞くけど、大げさじゃない?」と、理解できない様子。そりゃ他人ごとですから、なってみないと苦しみは分からないでしょうが…。

 ところが今年、思わぬ出来事が姑の身に起こります。2月下旬に実家へ行くと、姑は家の中だというのにマスクをしていました。
 「風邪ですか?」私が尋ねると、姑は
 「水道をひねったみたいに鼻水が止まらなくて」と、大きなくしゃみをしながら答えました。

姑を襲う未知の症状

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 姑に詳しく話を聞くと、かなり重い症状です。常時の鼻づまりと目のかゆみがあり、夜もまともに眠れない様子。
 「鼻で息ができないから、頭もぼうっとするのよ」姑を見ながら、去年言われた「大げさじゃない?」という言葉が頭をよぎりました。

 しかし、つらさは理解できるので
 「たぶん花粉症なので耳鼻科でみてもらったほうがいいと思います」と、答えます。姑は
 「行ってみるわね…」と意気消沈していたので可哀想になり、花粉症対策として腸内環境を整えることや、花粉を家の中に持ち込まないことを伝えました。

 その後、姑はかかりつけ医に相談し、鼻炎薬をもらいました。医師にみてもらっても
 「まさかこの年でかかるなんて」と、花粉症であることを受け入れられない様子。苦しい症状は気の毒ですが、今後は花粉シーズンに洗濯物の外干しすることはなくなるでしょう。花粉症仲間の私としてはちょっと安心です。

 花粉症はなってみないとつらさが理解できませんが、姑にはせめて耳を貸してほしかったです。花粉症事件を教訓にし、家族や知人の声に耳を傾け、相手の立場を考えられる人になりたいなあと思うのでした。

(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)

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