高校生のころは、寝癖を直す程度しか身なりを気にしなかった娘。そんな娘が大学生になってから、おしゃれに目覚めました。毎日SNSを見てメイクやファッションの研究をしています。そんな娘にあれこれと言う先輩が現れてから、メイクをするのを嫌がるようになりました。心ない先輩の一言をどう思いますか?

大学生になった娘

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 高校生の頃は、睡眠第一だった娘。朝はギリギリまで眠り、メイクと言っても日焼け止めと、色つきのリップだけでした。そんな娘が大学生になってから、洋服やメイクに興味を持つようになりました。どんな時でもSNSでメイクの動画を見て研究しています。そして、かわいいと思ったメイクを見つけては、自分の顔で実践しています。

 「失敗した〜」
 「上手くできない!」などと言いながら、毎朝メイクに時間をかけています。毎日時間をかけてメイクをし、髪を整え、そのメイクにあった服で学校や部活に行く娘。

 そんな娘を見て「成長したな」と私は微笑ましく思っていました。

憧れの先輩とのデート

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 授業もなく、部活や、バイトもない休日は、決まって昼過ぎまで寝ている娘。そんな娘が、とても早起きした日がありました。
 「出掛けるの?」と私。
 「うん。A先輩と遊びに行ってくる」と素っ気なく答えます。でも、何だか嬉しそうに見えます。

 A先輩とは娘の会話に最近よく出てくる、部活動のイケメンの先輩なんです。素っ気ない娘とは対照的に
 「デートやん!」とはしゃぐ私。
 「違うけど… 何か言いたいことがあるみたい」と娘。

 何だかいつもより気合いの入ったメイクやファッションのように思います。私は、心の中で(頑張れ!)と応援しながら、おしゃれをした娘を送り出しました。

心ないひとこと

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 送り出したのもつかの間、2時間ほどで帰宅の娘。忘れ物かな? と思いましたが、一向に部屋から出てこないので声をかけました。
 「どうしたの? 忘れ物?」
 「……」娘の返事はありません。

 しばらくドアの前にいると、鼻をグズグズ言う音が聞こえてきます。泣いている? 心配になり声をかけました。娘の了解を得て部屋に入ると、泣いた後のように目が赤くなっていました。そして、メイクも落としていました。

 何を聞いても初めはハッキリと話さない娘でしたが、落ち着いてくると今日のできごとを話してくれました。

 先輩より少し早く待ち合わせ場所に着いた娘。緊張しながら待っているとA先輩が見えました。とりあえずカフェに行こうと決め、近くのコーヒーショップに入ったそうです。部活動の先輩なので、共通する部員やコーチの話をして盛り上がっていたそうです。

 何となく和んできたかな? そう思ったときに先輩が言いました。
 「いつもさアイプチ見えてるよ。もっとメイクを練習したら?」

 メイクの指摘とは思わなかった娘。最近友達や先輩からも、メイクのテクニックが上がったことを褒められたばかりでした。A先輩からひたすらメイクのダメ出しをされ、恥ずかしさでいっぱいになり、先輩の顔を見ることができなくなったそう。トイレに行き、鏡を見て、前髪で目が隠れるように工夫して、席に戻りました。

 思い出すと辛いのでしょう。娘の目には涙がたまっています。その後も先輩は
 「○ちゃんのメイクを真似てみたら?」や
 「部活にそのメイクは変だよ」と、メイクについてあれこれと言ったそうです。

 最後は
 「いろいろがんばってね!」と言い解散となりました。

 コスメを買うために、バイトを増やした娘。学校や部活と忙しくても、
 「欲しいものがあるから頑張る!」と言いながら、集めたコスメです。

捨てられたメイク道具

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 楽しみながら集めたメイクグッズが、次の日ゴミ箱に捨てられていました。拾い集めている私の隣で、「もうメイクはしない」と娘は言います。

 メイクに興味をもち、見た目が変わることをとても楽しんでいた娘。メイクをすることで自信が付いたようにも思います。このできごとから、メガネをかけて、顔を隠すようになった娘。控えめなメイクで最近は学校や部活に行っています。

 A先輩の真意はわかりませんが、傷ついた娘を見てとても腹が立つ私です。
 キレイになった娘を見るのが楽しみだったので、早く立ち直って、また自信に満ちあふれた姿が見たいと思います。

(ファンファン福岡公式ライター/濱本 操)

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