チャットやビデオ会議、ライブ配信など、オンラインで音声を扱う機会が増えています。単純な音声チャットや簡単なオンライン会議などであればヘッドフォンとマイクが一体となったヘッドセットがあれば十分ですが、ゲームのサウンドを聴きながら快適にチャットをしたり、あるいは1台のPCから複数人でライブ配信を行う際など、複数の音声をまとめる必要があるシーンでは「オーディオミキサー」が必要となります。

 今回はオーディオミキサーの中でも、仲間とチャットしながらのゲームプレイに便利な、ゲーミングミキサーのおすすめを紹介します。

●音をまとめる「オーディオミキサー」

 オーディオミキサー(以下、ミキサー)は、複数の音声信号をまとめて出力する機材です。レコーディングスタジオやライブ会場の音響スタッフが使用している、フェーダーのたくさんついた大きな卓がその代表と言えるでしょう。

 ミキサーは、マイクなど複数の機器から入力されるサウンドのバランスを調整したり、入力音声のオン・オフの切り替えをするのがメインの機能です。プロの音響スタッフ向けのものとはサイズや性能は大きく異なりますが、パソコンやゲーム機、スマホなどのパーソナルなデバイスにおいても、ミキサーは1台あると大変便利なものです。

 ミキサーの中でも「ゲーミングミキサー」は、ゲームの音とチャットの音声を同時に一つのヘッドフォンなどで聴くことができるミキサーです。かつてはスピーカーからゲームの音を、ヘッドセットでチャットの音声を聴くのが当たり前でしたが、現在では手ごろな価格のゲーミングミキサーが普及しており、よりゲームに没頭できる時代となっています。

 配信用のミキサーも身近なミキサーの一つです。特に複数人での配信など、1台のパソコンで2本以上のマイクを使用する際には必須のアイテムです。マイク1本であればUSBマイクを使用すればよいのですが、2本以上のマイクを接続したり、音楽プレーヤーや楽器など、外部からのサウンドもまとめて配信したい場合には、ミキサーで音声信号をまとめる必要があります。

 なお、DTM(デスクトップミュージック)においてもミキサーを使うことがありますが、複数人での同時録音や複数の外部機材のミックスなどを想定するのでなければ基本的には不要です。その分、オーディオインタフェースやマイクにコストをかけるのがいいでしょう。

●スマホで通話しながらゲームの音も楽しめる|エレコム HSAD-GMMD20

 エレコムのHSAD-GMMD20は、シンプルなゲーミングミキサーです。USB Type-A/Type-Cに対応したデジタル接続タイプで、ゲーム機とスマートフォン、直径3.5mmミニプラグ仕様のマイク付きステレオヘッドセットを接続すれば、通話機能がないNintendo Switchなどのゲーム機でもゲーム音と通話をミックスして楽しめます。

 デジタルのミックス処理と増幅回路により、音量が不足しがちなアナログ方式よりも高音質なミックス再生が可能。ノイズの影響を受けづらいシールドケーブルを採用しています。イヤフォンジャックを搭載しないスマホでは、別売の直径3.5mm音声変換ケーブルを使用すれば使用できます。

 カラーはブラック(HSAD-GMMD20BK)のほか、本体に「しろちゃん」が印刷されたホワイト(HSAD-GMMD20WF)もラインアップされています。

 エレコムダイレクトショップでの価格は2580円(税込)。USB端子を使用しないアナログ接続の「HSAD-GMMA20BK」もあります。

●Bluetooth対応のゲーミングミキサー|アイ・オー・データ機器 AD-BTMIX/HN

 アイ・オー・データ機器のAD-BTMIX/HNは、Bluetooth接続対応のゲーミングミキサーです。LINEやDiscordなどを通して、スマホでボイスチャットしながらゲームをプレイする際、仲間にボイスチャットの音声のみを届けることができます。

 スマホとBluetoothで接続するのでイヤフォンジャックのないスマホでも使用でき、iPhone/Androidのどちらにも対応しています。スマホを充電しながらでもボイスチャットができるので、長時間のゲームプレイ時も、バッテリー残量を気にせずにゲームのプレイとチャットを楽しめます。

 アンプ付きミキサーのため、ノイズが少なく最適な音量に調整して使用できる一方、電源供給用のUSB電源アダプター(USB Type-A)が別途必要ですが、手持ちのスマホ充電用のアダプターが使用できます。

 実売価格は約4500円(税込)から。

●ヤマハ ZG02|3種類のエフェクトを瞬時に起動できる

 ヤマハのZG02は、チームメイトとのコミュニケーションに必要な機能を優先して最適化した「ゲームストリーミングオーディオミキサー」です。独立した各ツマミによる直感的な操作を採用し、独自の音声処理技術を搭載。コンパクトなサイズとリーズナブルな価格を両立しています。

 プレイヤー自身のボイス、チームメイトのボイス、ゲームのサウンドの3つを物理ノブで直感的にコントロール。自分が欲しい音声と相手に届けたい音声をリアルタイムでミックスして調整、常に最適な音量バランスのサウンドでゲームが楽しめます。

 3種類のエフェクトを瞬時に起動できるプリセットボタンを搭載。プレイヤー自身のボイスに対するエフェクト、ゲームの音声に対するエフェクト、そして配信を盛り上げる効果音で、ゲームの楽しさをサウンド面でアップしてくれます。

 実売価格は約2万円(税込)から。