茨城県のランドセル無償配布のきっかけと現状
茨城県日立市では、昭和50年(1975年)から新・小学1年生に、特注のランドセルの無償配布を行っています。
昭和50年といえば、第一次オイルショックの影響による物価高騰の時期と重なりますが、家庭の経済的負担を軽減するために始まったという日立市の取り組みは、40年以上続き、現在は丈夫で軽量なファスナー式薄型ランドセルを独自に作って無償配布しています。
茨城県では日立市だけでなく、全44市町村のうち、約3分の1に当たる15の自治体でランドセルの無償配布が実施されているというから驚きです。
通学用かばんの無償配布に取り組む自治体
新小学生を対象にランドセルなどの通学用かばんを無償で配布する取り組みは、子ども・子育て支援の一環などとして全国の一部の自治体で行われており、今年から新たに実施している自治体もあります。
例えば、山口県防府市では令和5年度の小学校入学生全員に、独自の通学用かばんを贈呈しています。
また、富山県立山町ではアウトドア用品の製造・販売を行う、「株式会社モンベル」にデザイン作成などを委託し、製作した通学用リュックサックを、令和5年度以降、町立小学校へ入学する児童を対象に無償配布を実施するとしています。これは学校で使う教科書や文具、タブレットなどを収納できる機能性と耐久性を備えています。同型の通学用リュックサックは、長野県駒ケ根市、山形県村山市でも令和5年度の小学校入学者に対して無償で配布されています。
ランドセルの購入にはフリマアプリなども活用
近年、ランドセル市場は競争が激化しており、小学校入学の1年ほど前から予約するという販売スケジュールが定着しています。
手作りの製品と量産品によっても差はありますが、「一般社団法人日本鞄協会 ランドセル工業会」によれば平均購入金額は5万8524円と高級品でもあります。
また、フリマアプリなどで、状態のいい中古品を安価に購入する方法もあります。さらに、地域密着型のネット広告掲示板サービスで、予算に応じて購入したり、場合によっては無料で譲ってもらえることもあるでしょう。
まとめ
物価高騰が続き、低所得の子育て世帯も広がる中、今回は自治体が、独自にランドセルや通学用かばんを無償で配布する取り組みについて紹介しました。
これらの取り組みが、自身の住んでいる自治体で行われていない、という世帯でも、インターネットで予算を抑えて購入したり、中古品を譲ってもらうという選択肢もあるので、家計の状況に応じて検討してみてください。
出典
一般社団法人 日本鞄協会 ランドセル工業会 ランドセル購入に関する調査2023年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー